フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第131回目は番外編=番外犬、ジャック・ラッセル・テリアのエド(Edo)さまの登場です。

日本にちなんだ名前の犬さまの物語

【フレンチ猫(犬)さま】vol.131
猫(犬)さまの話をもっと聞かせて! 
エドさまは13歳の男性犬さま。




エドさまが語ります。

僕の家はパリ郊外の印象派ゆかりの地にあります。日々のお散歩は四季を感じる自然たっぷりのセーヌ川沿いがいつものコースです。鴨や雁を追いかけたり、他の犬と遊んだりするのが大好きです。



たまにネズミやハリネズミを見つけると、我を忘れて狩猟犬の本能で噛みついて捕まえてしまいます。寒い冬の朝はゆっくり起きて10時ころから1時間ほど散歩に行きます。その後は、日なたでずっとお昼寝をして、15時ころにお昼を食べてから、また1時間ほど散歩に行きます。家に帰ってきてから場所を変えてまたお昼寝をして、17時になるとお腹が空いて騒ぎだしますが、夜ご飯の18時まで我慢します。



夕飯を食べてからは、帰ってきた家族にチヤホヤされたり家族の夕食をおねだりしたりします。もらえることはありませんが。22時頃にその日の最後のお散歩に行って、誰かのベッドに潜り込んで暖かくして朝までぐっすり寝ます。



いつもの食事はシニア犬用のカリカリをお湯でふやかして、ゆでた鳥のささみとにんじんをトッピングしてもらいます。年齢を考慮して、犬用のハーブと魚オイルも最近足してもらうようになりました。たまに炊きたてのお米をいつものご飯に少し混ぜてもらいます。散歩中は、飼い主がポケットに隠し持っている(もちろんあることは知っています)サーモン味のカリカリをもらいます。 りんごの皮や、きゅうり、スイカ、バナナも大好きです。



冬は日の当たる窓際のクッションの上か、ここの家の娘たちのベッドに潜り込みます。夏はベランダのトランザット(長椅子)の上から、下の景色を眺めます。お気に入りのおもちゃはグレーのゾウさんのぬいぐるみです。遊ぶというよりは枕にしています。遅まきですが、12歳になってからお手を覚えましたよ。


飼い主から見たエドさまは?

私の犬遍歴は、小学生の頃、姉が保健所から黒柴をもらってきたのが始まりです。その後、姉がシェパードを連れてアメリカから帰ってきて、今、日本の実家では柴犬を飼っています。



エドは普通のジャック・ラッセル・テリアと比べると足が長く短毛なので、若く見られます。2010年生まれで、最初は義両親が飼い始めました。義母が、息子の妻が日本人であることにちなみ、日本リスペクトで江戸からエドと名付けました。月に2回は会ってお散歩をしたり遊んだりしていましが、2021年に義両親が相次いで亡くなり、忘れ形見として我が家にやってきました。 20年以上お世話になった義両親の形見であり、2人を突然亡くした悲しみ、喪失感を癒してくれる存在でした。今は、私にとってはいつも一緒にそばにいてくれる相棒です。



とても優しくて、人間にも犬にも愛想がよく、社交的です。誰かの家のドアが空いていると、自分の家のように入っていきます。嬉しい時に手で顔を擦る仕草が、恥ずかしがっているようでかわいいです。2022年のバカンスは一緒に2週間、南仏ドライブ旅行に出かけました。知らない街を散歩したり、川に入って泳いだり、ホテルでもレストランでもいつも一緒で楽しかったです。私は1年間、無職生活を送っていましたが、毎朝きちんと起きて1時間の散歩をするというリズムを作ってくれたことに感謝しています。いつも寄り添ってくれて無償の愛の大切さを教えてくれています。


――パリ郊外のセーヌ川沿いに近いお宅で過ごすエドさまはとてもいい環境で生活しています。都会と比べて自由に散歩し、遊べるのは最高のことですね。今年のバカンスはどこへ行くのでしょうか? エドさまにとっても今から楽しみですね。


取材、文・松永学

取材、文・Manabu Matsunaga