賃貸物件を探しているけど、内見ってどうすればいいの…? 初めての引っ越しは特に、分からないことだらけですよね。今回は、賃貸物件を探すときに知らないと損する「内見のコツとNG行動」について、女性に特化した不動産会社を経営する 山手雅美さんに教えてもらいました。プロからのアドバイス、参考になること間違いなしです!

不動産会社の女性経営者が教える! プロが教える「内見のコツとNG行動」

【女性が知っておくべき「賃貸物件」基本のき】vol.14

※ 主に東京都内、近郊のワンルーム賃貸物件が対象です。


――賃貸物件を探す際、内見はすべきですか?

山手さん 内見に行かないと分からないこともあるため、した方がいいと思います。ですが、内見のスケジュールを決めているうちに、他の人が先に申込みをしてしまう可能性も。人気の物件はスピード感も大事ですので難しいところです。もし現地に行く時間がない場合には、不動産会社によってはオンライン通話で内見することもできます。通話しながらなので、物件を見ながら質問も可能。内見せずに契約を決めるよりかはイメージがしやすいですよ。オンライン通話も難しければ、写真や動画を送ってもらうこともできるので問い合わせしてみるといいと思います。

――内見の際にすべきではないこと、NG行動について教えてください!

NG1. 「住むつもりがない、予算に合っていない物件の内見」

山手さん ”何も決まっていないけど、とりあえず内見したい”という方は多くいらっしゃいますが、何も知識がない状態で内見をしたために、その場の雰囲気や流れで契約してしまい、あとから調べたらもっといい物件があったと後悔してしまうケースも。いい物件を選ぶためにも、希望条件と異なる物件を内見することはオススメできないです。

また、自分が支払える家賃とかけ離れた物件を見てしまうと、どうしても理想が高くなってしまいますので要注意。家賃次第で、部屋のクオリティは違ってくるもの。予算に合っていない物件を見て、そのあとに予算に見合った家賃の物件を見ても、前に見た物件の方が素敵だったな…、設備はいいけど浴室が気に入らないな…など、満足できなくなってしまう可能性は高いです。

NG2. 「あまりにも早すぎる内見」

山手さん 引っ越したい日から3か月以上前など、早めの内見はオススメできません。賃貸物件の場合、募集開始から1か月以内で募集が終わってしまう場合は多いですし、人気物件は掲載から数日で入居者が決まってしまうことも。どんな物件があるか見ておきたいという方の場合に多いのですが、引っ越しの3か月以上前から内見をしたとしても、自分の引っ越しの時期にはすでに他の方が契約してしまっているケースがほとんどなんです。また、早く契約をしてしまうと、タイミングによっては今住んでいる物件と引っ越し先の家賃を二重に支払うことになってしまう可能性もあります。時間とお金を無駄にしないためには、引っ越しをしたい日から逆算して、内見は1か月前くらいからがベスト。1か月を切ってからでも遅くないですよ。

NG3. 「内見をしすぎる」

山手さん 内見は、多くすればいいという訳ではありません。むしろ内見を繰り返すほど、後悔しているお客様は多いです。10件以上の内見をして、物件を見る目が極端に厳しくなってしまったり、何を優先すべきなのか迷ってしまい決断できなくなってしまう方は珍しくありません。たくさん内見をすること自体は悪いことではないですが、長い期間を内見に費やしてしまうと、例え最初の物件の方が良かったと思っても、すでに募集が終了してしまって、最終的に妥協して物件を選ぶしかなくなってしまうこともあるんです。そのため内見は、2、3件くらいがベスト。多くても5件以内におさめておくといいと思います。

――内見に行ったら、必ず確認しておくべきことはありますか?

山手さん 想定していたよりも日当たりが良くない物件だった、最寄り駅まで意外と距離があった、電波が入りづらい…など、内見に行かないと気付けないポイントは多いです。

・日当たり
・最寄り駅までの距離、雰囲気
・スマホに電波が入るかどうか
・冷蔵庫と洗濯機置き場のサイズ
・防音性(構造・窓を開けたときの音など)

は確認しておくことをオススメします。内見の際は分からないことがあれば、小さなことでも担当者に質問するといいですよ。

内見時のオススメ持ち物

・メジャー(不動産屋が持っている場合も多い)
・スマホ(カメラで室内写真を撮るため)
・事前に家具、家電のサイズを測ってメモしたもの
・身分証明書、収入証明書(当日申込みをしたい場合のみ)

事前にサイズを測っておくと、いざという時に他の物件と比較検討がしやすいですし、家具家電を購入する際に改めてサイズ確認をする手間がなくなり役立ちます。また、内見した日に申込みをすることを視野に入れて、身分証明書と収入証明書を持っておくと、当日にスムーズに申込みを完了できるためオススメです。

――内見後に仮押さえはできますか? 申込みをしたらキャンセル料はかかるのかについても教えてください!

山手さん 家賃を支払わずに物件を仮押さえすることはできません。基本的には申込みから2週間程度で家賃が発生します。契約前の場合、申込みをキャンセルしてもキャンセル料は基本的に発生しませんが、その間の手間や募集を止めることで次の入居者が決まらなくなったりと、不動産屋や大家さんに迷惑がかかるため、できるだけキャンセルは避けましょう。


満足する物件に出会うために内見は大切

いかがでしたか。初めての引っ越しは不安なことも多いはず。住んだあとに後悔しないためにも、今回のプロからのアドバイスをぜひ参考にしてみてください。

教えてくれた人
株式会社東京女性不動産 代表取締役社長 山手雅美さん 

宅地建物取引士所持。不動産歴3年目、2021年11月に「東京女性不動産」を開業。
東京女性不動産は、安心してお部屋探しができることを第一に、相談から契約まですべて女性スタッフが担当。女性一人での東京のお部屋探しを、女性ならではの視点で親身にサポートしています。LINEでの相談もできます。安心して新生活を始められるように、ストーカー保険の提案やRefaプレゼントなどのサービスもあって、さすが女性にやさしい!

©emma/Getty Images

文・武市彩花