日々変化し続ける東京の中にも、昔から変わらない魅力を放つ、そんなレトロなお店が存在します。取材をしたとあるお店の方は、「何も変えずにただここまでやってきて、長く続いた結果、気がついたら唯一無二になっていました」と言い、また別の方は「自分からすると古くさいと思っていたものが、一周回って“かわいい”と言ってもらえることは、正直驚きですが、嬉しいです」とにっこり。

レトロとは、郷愁に誘われる気持ちのこと。喫茶店で甘味を食べて、レストランで洋食に舌鼓。クラシカルなケーキで一休みしたあとは、大人なバーで酔いしれて…。今回紹介したスポットを訪れれば、きっと懐かしい甘美な気持ちになるはずです。

山の上ホテル コーヒーパーラー ヒルトップ

神田駿河台の“山の上”にある小さなクラシックホテルは、1954年の開業以来、川端康成や池波正太郎といった昭和の文豪に愛されたことでも有名。今回紹介するのは、2019年に“開業当時の雰囲気に戻そう”というコンセプトで改装されたクラシカルな喫茶室『コーヒーパーラー ヒルトップ』。一押しのデザート「山の上ホテルのプリンアラモード」は、コルトンディッシュと呼ばれるデザート皿に、上質な季節のフルーツと卵黄をたっぷり使ったプリン、芳醇な香りのバニラアイス、そしてスワンのシューがのったスペシャルな逸品。「見た目は古風、そして味には“今”ならではのこだわりがたっぷり。その2つの側面を楽しんでもらえると嬉しいです」とはシェフの談。一口ごとに、うっとりが止まりません。

リッチな風味のプリンに香り高いアイス、上質な旬のフルーツを添えて。山の上ホテルのプリンアラモード¥2,000

山の上ホテル コーヒーパーラー ヒルトップ
東京都千代田区神田駿河台1‐1‐B1 TEL:03・3293・2834 11:30〜21:00(20:00LO) 無休

近江屋洋菓子店

創業は明治時代、1884年。ケーキとパンが並ぶお店として、そしてレトロでかわいいものに出合えるお店としても愛されているこちら。現在の店舗は昭和時代に建て替えたもので、花のような照明がついた高いブルーの天井に大理石を使ったモザイク模様の床、そこにコロンとした椅子が並ぶ様子はまるで’60〜’70年代の空港のラウンジのよう! 数年前にリニューアルしたそうですが、ほとんどデザインはいじらなかったとのこと。ショーケースには随時15種類以上のケーキが並び、昔のレシピで作られているものも多い。残念ながら現在喫茶はお休み中ですが、パステルカラーのイラスト&ロゴが描かれたかわいい箱に入れてケーキを持って帰れるのもまた、喜び。

色使いなどクールな印象なのに、なぜかかわいさがあふれる空間。店員のユニフォームであるワンピースも素敵。

箱を開けるとそこには、見目麗しいケーキたちが! ツヤツヤのクリームに胸がときめく。

いずれもシンプルなケーキですが、フルーツやチョコレート、卵やバターなど、こだわりの材料によって生み出される味は、どれも絶品。サンドショートは、この号が出る頃には苺に変わる予定。

写真上から、
チーズケーキ¥486、アップルパイ¥540、ショートケーキ(四角)¥378、メロンサンドショート¥1,296、ショコラ¥486、サバラン¥486

近江屋洋菓子店
東京都千代田区神田淡路町2‐4 TEL:03・3251・1088 9:00〜19:00(日・祝日10:00〜17:30) 無休

※『anan』2023年10月4日号より。写真・中垣美沙

(by anan編集部)