フランス在住のフォトグラファー、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第186回目はタビーのキャラメロ(Caramelo)、改名後はメロ(Melo)さま。

5日間生死の間を彷徨った猫さまの物語

【フレンチ猫さま】vol.186
猫さまの話をもっと聞かせて!
キャラメロ(メロ)さまは2歳の男性猫さま。




<キャラメロさまが語ります>
僕は小さい頃、両親や兄妹とはぐれて、たまたま飼い主の家の軒下に避難しました。ここの家の人たちはとても親切で、重い病気の僕の命を救ってくれました。元気になった今は、自然に囲まれたオーヴェルニュ地方のカントリーハウスに住み、もっぱら外で遊んでいます。



朝起きて朝食にパテ、カリカリ、昨日の残りものを食べて、少しだけ牛乳を飲みます。それから野ネズミを狩りに1日中放浪に出かけます。もちろん他にも小さな動物も狩ります!



夜は必ず自分のベッドで寝ます。暗くなると危険な大きな動物と遭遇するからです。ここは本当に安心できる僕の住処なのです。一緒に住んでいる80歳の老夫婦は、僕が来てから新たな人生が始まったと言っています。


<飼い主から見たキャラメロさまとは>
夏、フランスでは多くの人が休暇を過ごす時期です。キャラメロは、2022年8月に私たちの田舎の家に避難してきた雑種猫です。猫がニャーと鳴き、私たちは茂みの中に隠れている彼を発見しました。彼はとてもかわいかったのですが、暑い日だったのでお腹が空いて喉が渇いていた様子でした。私たちは彼に餌を与え、テラスに落ち着きました。



身元が特定されているかどうかを確認するために、家のすぐ隣にある獣医に連れて行きました。しかし、身元が特定されなかったため、飼い主を見つけることができませんでした。 獣医によると、まだ1歳にも満たない若い猫だそうでした。見知らぬ猫の治療費を払う人が多いかどうかはわかりませんが、私にとってはその猫の世話をしないわけにはいきませんでした。



キャラメル色のタビーなのでキャラメロと名付けました。 すべての特徴を備えているため、ベンガルなのではないかとさえ思いました。私にはパリから連れてきた猫が2匹いるので、リスクを避けるため、彼を家に入れませんでした。キャラメロは健康状態が急速に悪化したため、この判断は正しかったようです。 彼は食べられなくなり起き上がれなくなりました。胃の問題も抱えていたようです。それは祝日に続く週末のことでした。彼はとても遊び好きでしたが、何もできなくなりました。獣医が休みだったので、3日間水分補給し、注射器を使って強制的に食事をさせました。彼の状態が改善しなかったため、私は最終的に獣医に連れて行き、発疹チフスと診断されました。彼は明らかに予防接種を受けていなかったせいもあり非常に深刻な状態でした。この病気はワクチン接種を受けていない若い猫に影響が大きく、大多数は生き残れません。しかし、キャラメロはファイターでした。 5日間の入院と抗生物質投与の後、彼は病気を克服しました。



彼は救われましたが、私たちには問題がありました。 私たちは仕事のためにパリに戻らなければならなかったので、3匹目の猫をアパートに連れて行くことができませんでした。私たちは彼を養子にしてくれる人を探さなければなりませんでした。しかしキャラメロは幸運です! ここに住んでいる義理の両親が美しい瞳に感激して、彼を養子にすることに同意し、そしてメロと改名しました。同時に身元登録とワクチン接種をしてもらいました。



いまのメロは幸せで甘えん坊な猫です。 彼はほとんどの時間をオーヴェルニュの田舎ですごしていて、時折パリ地方に遊びにやってきます。



養子に迎えられたという事実は私にとっては満足ですし、彼は私たちのところに来て正しい家を選んでくれたのです。私は、これは偶然ではなく、常に猫を歓迎してきた我が家のポジティブな雰囲気を彼が感じたに違いないと自分に言い聞かせています。



彼は優しくて、遊び心があり、いつもとてもかわいいです。 すでに退職した義理の両親もメロとの生活を楽しみ、老後が活気のある生活になったと喜んでいます。


ーー連載#97に登場したリシルさまとスルタンさまの飼い主の話です。
発疹チフスウイルス感染のためにリシルさまとスルタンさまとメロさまは一緒に遊ぶことができなく、パリにも連れて戻れませんでしたが、今ではすっかり田舎での生活を楽しんでいるそうです。


著者情報

松永学
猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!

取材、文・Manabu Matsunaga