自然からのいただきものであるハーブの力を取り入れて、心と体に優しく寄り添う「レメディ」のようなお菓子を作る〈foodremedies〉として活動する菓子研究家の長田佳子さん。砂糖にはない甘さやほのかに感じる苦味、鼻をくすぐるいい香り——。ハーブはそのときの心と体の状態によって、五感で感じ取るものが繊細に変化する奥深さを秘めた暮らしに役立つ植物です。そんな季節のハーブを使った長田さんオリジナルのお菓子のレシピを紹介するこの連載。第28回は「ステビアとスイカのソルベ」をお届けします。

 

This Month's Herbal Sweets

「ステビアとスイカのソルベ」

夏バテをサポートしてくれる、みずみずしいエナジースイーツ。

スイカの果肉のみずみずしい赤色。太陽の光をいっぱい浴びて熟した生命力に溢れた美しい色を眺めていると、メキシコの画家、フリーダ・カーロの作品が思い出されます。スイカの果肉部分に「Viva la Vida」(生命万歳)という文字を描き、人生に対する切なる想いを刻み込んだ、美しい魂のことを——。“夏を味わっている気分”になる風情溢れるスイカは、ある人にとっては、大切な記憶の中に生き続ける特別なフルーツなのかもしれません。

調理をせずそのまま食べるだけでも十分においしいですが、今年の夏は少しひねりを加えてさっぱりといただけるソルベにしてみましょう。今回、材料に使ったハーブは、甘味成分のあるステビア。カロリーがない天然の甘味料として使うことができるもので、スイカの甘さを増すことができます。ステビアが手に入らなければ、ローズマリーやバジルで代用してみるのもいいと思います。これらは、スイカそのものの味を引き立ててくれるでしょう。

作り方はとても簡単。まずはジンを火にかけてそこにステビアを入れるところから。香りと甘味成分をうつしたものをピューレにしたスイカに加えて、よく混ぜ、冷凍庫に保存を。程よく固まったら「ステビアとスイカのソルベ」の完成です。ステビアによって甘さが増したスイカにキレのあるジンの味わいが加わることで、スッキリとした飲み口を導いてくれます。

最近はクラフトジンの種類も豊富にあり、フルーツ、ハーブ、スパイス、花のアロマを使用して造られたものもあるので、自分好みのジンを探求するのも楽しい時間になるはず。

夏の暑さに疲れを感じたときにスイカのソルベでクールダウンしてみましょう。

 

ステビア

キク科ステビア属多年草。夏から秋にかけては白い花が咲きます。甘味料として利用されているハーブで、特に葉に強い甘味があるのが特徴。この甘味成分ステビオサイドは、砂糖の200〜300倍あるといわれています。砂糖の代わりにダイエット食品、清涼飲料などに使用されることが多く見られます。生でも、ドライでも使用でき、ドライにした葉を軽く煮出すことでシロップとして使ってみても。

 

レシピ 1人分 

・スイカ 正味 300g
・ステビアの葉 5g
・ジン 60ml

 

How to cook

1.ジンを手鍋に入れる。沸騰したらステビアを入れ、火を止めて冷ましておく。
2.スイカの果肉を取り出し、種を抜きミキサーにかけピューレにする。
3.「1」を「2」に加え混ぜ、グラスに流したら冷凍庫で固める。

 

photo:Hiroko Matsubara edit & text:Seika Yajima
キッチンクロス提供:FLUFFY AND TENDERLY 器:小牧広平ほか


菓子研究家 長田 佳子

レストラン、パティスリーなどでの修業を経て、YAECAフード部門「PLAIN BAKERY」でメニュー開発、お菓子の製造を担う。2015年に独立。〈foodremedies〉という屋号でハーブやスパイスなどを使ったまるでアロマが広がるような、体に素直に響くお菓子を研究している。著書に『季節を味わう癒しのお菓子』(扶桑社)、『全粒粉が香る軽やかなお菓子』(文化出版局)などがある。2021年7月より登録制による動画配信のお菓子教室を開催。