2018年から「週刊少年ジャンプ」で連載中の大人気漫画『呪術廻戦』(著:芥見下々)。コミックスの累計発行部数は最新19巻で6500万部を突破。初の劇場映画となる『劇場版 呪術廻戦 0』は、4月18日時点で興行収入134億円超と大ヒットを記録中。2022年7〜8月には舞台版の上演も控えており、2023年にはTVアニメの第2期が放送開始予定だ。

現在ジャンプ本誌で連載中の「死滅回游」編では、大量に新キャラクターが登場し、バトル描写含めてさらに作品のテイストやカラーに変容が見られる『呪術廻戦』。アニメ!アニメ!では、『呪術廻戦』呪胎戴天編の放送に伴い、「虎杖悠仁(いたどり・ゆうじ)」「伏黒恵(ふしぐろ・めぐみ)」「釘崎野薔薇(くぎさき・のばら)」「五条悟(ごじょう・さとる)」の4人のキャラクターにそれぞれフォーカスし、その魅力を考察する短期集中連載を実施する。

なお、言及範囲に関してはTVアニメ第1期&劇場版までに留めるため、アニメ勢の方もご安心を(ただ、今後のアニメ化予定のエピソードでそれぞれのキャラに壮絶な試練が多数巻き起こるため、ぜひ原作も追いかけていただきたい)。

第1弾となる本稿では、虎杖悠仁にフォーカスする。

※以下の本文にて、本テーマの特性上、作品未視聴の方にとっては“ネタバレ”に触れる記述を含みます。読み進める際はご注意下さいませ。


そもそも『呪術廻戦』って?

人の負の感情から生まれた“呪い”と、それを祓う“呪術師”の戦いを描く物語。「呪いの王」と称される両面宿儺の“器”となった高校生・虎杖悠仁は、呪術師としての訓練を積むために養成機関である東京都立呪術高等専門学校(通称:呪術高専)に入学。仲間たちと共に、様々な任務をこなしていく。



基本的な人物情報:虎杖悠仁編

まずは虎杖悠仁(いたどり・ゆうじ)の基本情報をおさらいしよう。宮城県出身の高校1年生(15歳)。人並外れた身体能力を持ち、地元では「西中の虎」の異名を持つ。性格は快活で、誰とでも分け隔てなく接するまっすぐな人物だ。

祖父と二人暮らしだったが、第1話の劇中で死別。その直後に“呪い”から高校の先輩や伏黒恵(任務で同地を訪れていた)を救うため、呪力を得ようと両面宿儺の指を食べ、宿儺を身に宿した“器”となる。

この宿儺についてだが、腕が4本ある“呪いの王”。宿儺の器の素質を持った虎杖は、いわば宿儺が受肉した存在であり、厄災を招きかねない。そのため、虎杖は呪術界上層部によって死刑が決定。ただ、呪術高専の教師も務める最強の呪術師・五条悟の提案により、「宿儺の指(計20本)をすべて取り込ませてから死刑にする」と変更。死刑を保留される。

簡単に言うと、宿儺の指は破壊できないほどの強度な呪い=特級呪物なので、虎杖がすべて取り込む→虎杖が死亡すれば宿儺を消滅させられるというのだ。ちなみに五条によると虎杖は「千年生まれてこなかった逸材」らしい。


戦闘スタイル:虎杖悠仁編

宿儺の器としてのポテンシャルもそうだが、先に述べた通り身体能力は折り紙付き。そのセンスを生かしたアクロバティックな戦闘スタイルが特徴的だ。反射速度はもちろん、例えば“呪い”の足元をスライディングですり抜けたり、敵の攻撃を“壁走り”で避けたり、縦横無尽に走り回って敵を翻弄。さらに、「あえて手加減した打撃で敵を油断させ、本命の攻撃をぶち込む」など、常に先の先を考えるクレバーな戦術脳も持ち合わせている。

そんな虎杖が使用する技は、五条との修行中に生まれた逕庭拳(けいていけん)。拳が当たった箇所に後から呪力がぶつかってくる「一度の打撃で、二度の衝撃」を与える技だ(TVアニメでの初披露は第9話)。

加えて、釘崎を抱えたまま山中を驚異的な走力で駆け抜けて敵を圧倒するなど(TVアニメ24話)、生来のタフネスさ(持久力・身体の丈夫さ)も重要な要素。呪術高専の東京校・京都校の交流会において伏黒は「東京校・京都校、全員呪力なしで闘い合ったら虎杖が勝ちます」と評している(TVアニメ第14話)。なお、この交流会において、「打撃との誤差0.000001秒以内に呪力が衝突した際に生じる空間の歪(ひず)み」である必殺技「黒閃」を体得(技の威力が平均で通常の2.5乗のクリティカルヒットとなる。TVアニメ第19話で発動)。才能を一気に獲得していく。


主義・信念:虎杖悠仁編

虎杖は、祖父が遺した「オマエは強いから人を助けろ」が行動理念となり、「人は死ぬ」からこそ、自分の目の届く範囲の人々を「正しい死」に導きたいと考えるように。理不尽な死が訪れないように、呪いから人々を助けようと奮闘する。しかし、この虎杖の想いは様々な試練を経ていく中で変化。

たとえばTVアニメ第4話では、敵に殺到的な戦闘力差を見せつけられ「俺はこんなに弱かったのか!!」と絶望。「正しい死を選べない」実力を受け入れたうえでなお、戦おうともがいていく。だがその後、第12話では呪霊の真人に友人の順平を殺された際に激高し、「ブッ殺してやる」と叫ぶなど、我を忘れてしまう。続く第13話では先輩の呪術師・七海に「正しい死って何?」と葛藤を口にし、「正しい死」は虎杖の呪術師としてのテーマにもなっていく。

これは、その後の未アニメ化部分のエピソードでもそう。作品全体を貫く命題として、押さえておきたいポイントだ。



TVアニメ第1期の中での歩み:虎杖悠仁編

呪いの王=両面宿儺をその身に宿した虎杖。最後に、彼の歩みを、TVアニメ第1期最終話(24話)までの内容でざっと振り返ってみよう。

第1話:両面宿儺の指を食べ、器となる
第2話:呪術高専に編入。呪術師として歩み始める
第3話:釘崎と共同任務にあたる
第4話〜第5話:伏黒・釘崎と少年院の任務中、死亡
第6話:宿儺の力で復活→修行。この時期に逕庭拳を獲得
第7話:五条と移動中、漏瑚と会敵。「領域展開」を体験
第8話〜第13話:七海と共に真人と対戦。任務中に知り合った友人・順平を亡くす
第14〜21話:2年生と対面。京都校の東堂と“ブラザー”関係に。黒閃を会得
第22〜24話:八十八橋の任務で釘崎と共闘。受胎九相図の壊相&血塗を退ける


そののちは、五条の過去を描く「懐玉編」「玉折編」を経て、超ボリュームの「渋谷事変編」へと突入。TVアニメ第2期が原作のどの範囲まで該当するかは現状定かではないが、虎杖のさらなる苦難・成長・活躍が描かれるため、楽しみに待ちたいところだ。


(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会