英専門メディアが選出、10人の記者投票で6人が井上を1位に

 ボクシングのWBAスーパー&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)は米ラスベガスのMGMグランドでWBO同級1位ジェイソン・マロニー(オーストラリア)に7回2分59秒KO勝ちを収めた。英国のボクシング専門メディアでは独自のパウンド・フォー・パウンド(PFP)最新版を発表し、圧倒的な強さを見せた井上がPFP1位に堂々の選出を果たしている。

 マロニーを鮮烈なカウンターで沈めた井上の評価は、ボクシング熱の高い英国でも高まりを見せていた。

 英専門メディア「ボクシング・ソーシャル」では専門家10人の投票による、独自のPFPを公開。「日本のセンセーション、ナオヤ・イノウエが、ボクシングソーシャルのライター陣による初のパウンド・フォー・パウンド投票で2位のサウル・カネロ・アルバレスを凌ぎ、1位に輝いた」と記事では評価している。ライター10人のうち、6人が井上を1位に投票し、93ポイントを集めたという。

 寸評でも「真のセンセーション」と絶賛し、プロ転向後、世界戦で15勝、うちKO勝利が13というデータを紹介した上で、「バンタム級以前に(団体を)統一していないことで、イノウエは非難されるかもしれないが、フアン・カルロス・パヤノ、エマヌエル・ロドリゲス、ノニト・ドネアを倒してのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)優勝で118ポンドにて確固たる立場を確立している」と高く評価している。

 そして、井上はバンタム級の4団体統一を目標に掲げているが、「(統一実現で)PFPキングの立場はより強固なものになるだろう」と分析している。

記者陣も賛辞連発「真の怪物」「彼が世界最高の理由は…」

 投票したライターの1人、ルーク・G・ウィリアムス記者は「イノウエは自分にとってはトップファイター。複数階級を制覇し、WBSS優勝でバンタム級ナンバーワンになった。その後も、一級品の相手を一掃し続けている。真の怪物のような才能だ」と賛辞を並べた。

 一方、フィル・ロジャー記者は2014年のWBC世界ライトフライ級王者アドリアン・エルナンデス(メキシコ)、WBO世界スーパーフライ級王者オマール・ナルバエス(アルゼンチン)という猛者を連破した功績は「究極的に過小評価されている」と指摘。

 英スコットランド・グラスゴーで昨年、行われたWBSS準決勝のエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)戦で圧勝したが、「バンタム級でのロドリゲス破壊が世界のステージ到来を刻んだ」とキャリアの分岐点になったと言い、続けて「相手のレベルや複数階級でのベルトだけではない。彼を世界最高のファイターたらしめているものは、相手を殲滅するそのやり方なのだ」と最敬礼している。

 実力者との対戦を望み続け、圧倒するモンスターの流儀こそが、PFP1位の揺るぎない根拠と識者は語っている。一方、9位には元WBO世界フライ級スーパー王者の田中恒成を選出。日本人ファイターがPFP10傑に2人入るという快挙を成し遂げている。

 なおPFPの本家で権威ある米誌「リング」の最新ランクでは2位。マロニー戦後はまだランキングは更新されていない。

PFPトップ10のラインナップは? 井上と2位カネロの得票数の差はわずか…

【ボクシングソーシャルPFPトップ10】順位右の()内は得票数
1位(93)井上尚弥(日本)
2位(92)サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)
3位(77)オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)
4位(69)テレンス・クロフォード(米国)
5位(58)テオフィモ・ロペス(米国)
6位(55)ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)
7位(36)ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)
8位(17)ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)
9位(14)田中恒成(日本)
10位(14)ジョシュ・テイラー(英国)(THE ANSWER編集部)