盟友・廣田彩花は右ひざじん帯断裂で手術、リハビリ中

 主力不在で、新たなペアが投入される。バドミントン日本代表が21日、男女混合対抗戦のスディルマン杯が行われるフィンランドへ出発した。チームは、同大会後にデンマークへ移動し、男女別の団体戦トマス杯&ユーバー杯にも参戦。その後、個人戦のデンマークオープン、フランスオープンを含めた6週間の長期遠征となる。

 注目の一つが、ダブルス2試合、シングルス3試合の構成で行われる女子団体のユーバー杯だ。日本は初の連覇を狙うが、2組のエースペアが不在だ。東京五輪には、世界選手権を2連覇している松本麻佑/永原和可那(北都銀行)と、同選手権で2年連続準優勝の福島由紀/廣田彩花(丸杉ブルビック)が出場した。しかし、廣田は東京五輪直前に右ひざのじん帯を断裂し、大会後に手術をしてリハビリ中。また、永原もコンディション不足を理由に遠征のメンバーから外れている。

 2組不在の中、1組は世界ランク10位でパリ五輪の有力候補としても期待がかかる志田千陽/松山奈未(再春館製薬所)の出場が確実だが、ほかには、既存のペアがいない。パートナー不在となった松本と福島のほかにメンバー入りしているのは、東京五輪で混合ダブルス銅メダルの東野有紗、2016年リオデジャネイロ五輪女子ダブルスで金メダルの松友美佐紀(ともに日本ユニシス)で、ともに現在は男子と組む混合ダブルスを主戦場としている。

 朴柱奉ヘッドコーチは「福島/廣田、松本/永原の次、志田/松山ペアが世界のトップレベルでどこまで勝負できるかのチェックが大事」と、志田/松山がエースペアであることを明確にしながらも「ユーバー杯は(スディルマン杯にはエントリーしていない)福島選手が合流するので、松本選手と組めば、結構強いペアができると思う」と、これまで個人戦ではライバルとして戦ってきた福島/松本の新ペアを投入する考えがあることを示唆した。

 また、ユーバー杯後に臨む個人戦のデンマークオープンには、福島/東野のペアが女子ダブルスにエントリーしているが、これは廣田が復帰するまでに福島が国際大会の感覚を忘れないようにすることを主目的として行う取り組みであることも明かした。

日本代表チームの副主将、女子チームの主将を務める高橋沙也加【写真:平野貴也】

欧州遠征の2つのみどころとは?

 今回の欧州遠征は、大きく2つの見どころがある。1つは、東京五輪後の再出発を華やかに飾れるかどうか。2019年の世界選手権で金メダル2個を含む5種目すべてのメダルを獲得し、東京五輪でのメダル量産が期待されていたが、男子シングルス世界ランク1位の桃田賢斗(NTT東日本)が、まさかの予選ラウンド敗退。女子ダブルスで世界選手権を連覇している松本/永原も4強入りを逃し、メダルは、混合ダブルスの渡辺勇大/東野有紗が獲得した銅メダル1個のみだった。男女混合対抗戦のスディルマン杯は前回準優勝で目標は初優勝、男女の団体戦もトマス杯は前回準優勝で2014年以来3大会ぶりの優勝が目標、女子団体のユーバー杯は連覇を狙う立場にあり、強い日本を再証明するチャンスだ。

 しかし、男子ダブルスの遠藤大由(日本ユニシス)、園田啓悟/嘉村健士(トナミ運輸)が代表を辞退するなど、若手への切り替えの時期でもある。女子ダブルスは前述のとおり負傷やコンディション不足で主力不在。次の大きな目標である2024年パリ五輪に向けた新戦力が、どれくらい台頭するかがもう1つの見どころだ。

 日本代表チームの副主将、女子チームの主将を務める高橋沙也加(日本ユニシス)は「もちろん、シングルスを取らないと勝負は厳しいというのはありますけど、ダブルスも強いと思っています。チームが一つになってやれば(日本は)強いと思うので、まずは、一人ひとりが、自分が出た試合は絶対に取るという気持ちで頑張りたいと思います」と意気込みを語った。これまでとは違った顔ぶれで臨む欧州遠征でどんな収穫を得られるか、期待される。(平野 貴也 / Takaya Hirano)