大津を4-0で破り、3年ぶり3回目の高校選手権制覇

 第100回全国高校サッカー選手権は10日に国立競技場で決勝戦を行い、青森山田(青森)が4-0で大津(熊本)を破り、3年ぶり3回目の優勝を飾った。決勝の大舞台で被シュート数ゼロ。文句のつけようがない勝ちっぷりだった。

 青森山田は、夏のインターハイ、年間を通してJリーグなどのクラブユースチームとも戦うプレミアリーグEAST(コロナ禍による未消化試合があるためWEST王者とのチャンピオンシップは実施されず)に続くタイトル奪取で、3冠を達成した。1年を通じて、敗れたのはリーグ戦でJクラブに2敗を喫したのみ。黒田監督は「常に理想通りのチームができるわけでもないし、強い選手や上手い選手が集まるわけでもない。(仮に)そうであったとしても、勝ち続けるのは本当に厳しい世界。その中で、高体連(高校部活動チーム)に1試合も負けることなく、タイトルを獲り続けたことは本当に称賛に値する」と賛辞を惜しまなかった。

 青森山田は、2016年度からの6年間でプレミアリーグEAST優勝が2回、高校選手権の優勝3回、インターハイの優勝1回。文句のない好成績を挙げており、第100回の記念大会は新時代の王者・青森山田の強さを象徴する結果となった。

 試合は、立ち上がりから圧力をかけた青森山田のペースで進んだ。大津はよく粘ったが、敵陣に押し返すことができず、何度もセットプレーを与えて苦しんだ。青森山田は前半37分に左コーナーキックをDF丸山大和(3年)が頭で決めて先制。さらに同41分、右から左へ相手を揺さぶると、折り返しの低いクロスをFW名須川真光(3年)がスライディングシュートで追加点を奪った。後半10分には、ロングスローの流れからMF松木玖生(3年/FC東京加入内定)がダメ押しの3点目。同33分にも左からのクロスをFW渡邊星来(3年)が頭で合わせて4-0とした。

 特に効果的だったのは、黒田監督が「日本だけでなく、世界に誇れるダブルボランチだったんじゃないか」と絶賛した松木とMF宇野禅斗(3年/FC町田ゼルビア加入内定)の働きだった。相手のロングパスのセカンドボールを回収するだけでなく、自由を徹底的に奪う強気の姿勢で中盤を制圧し、連続攻撃の源となった。大津のゲームメーカーであるMF森田大智(3年)は「ボールを持っているけど前に進めないと感じた。相手が怖がるパス回しがまったくできなかった」と相手の強さを認めるしかなかった。

プロの道に進む松木「勝たせられるプレーをしたい」

 青森山田の黒田監督は大会中に「なんでもできるサッカーを志向してきた」と何度も強調。決勝戦でも相手のロングパスを空中戦で封じ、地上戦も中盤でシャットアウトした。

 DF丸山は、大津の身長191センチを誇るFW小林俊瑛(2年)にも果敢に勝負を挑み、攻撃ではヘディングで先制点を決めた。「サッカーをやっていく上で、身長のせいにしていたら、そこまで。何がなんでも、191センチの相手を潰すと意識した。自分はヘディングが強いと言われているけど、昔は(ボールにヒットできず)かぶってばかり。監督にも怒られたが(指摘を)受け入れながら、跳ね返すところは上手になったかなと思う」と、3年間で武器になるまでプレーに磨きをかけてきたことを明かした。

 ボールを奪えばショートカウンターやサイドアタック。そこから生まれるセットプレーでゴールをこじ開ける力強さを見せた。主将としてプレーでも精神面でもチームをけん引したMF松木は、「今後は違う道(プロ)に行くが、そこでも勝たせられる、貢献するプレーをして、結果を残したい」とプロの世界でも勝利を求め続ける貪欲さを示した。ワンプレーの精度や勝負にこだわり続け、長所も短所も磨いて鍛え上げられた強いチームの戴冠で、第100回記念大会は幕を閉じた。

(平野 貴也 / Takaya Hirano)