「マイナビDANCE ALIVE HERO'S 2022」関東予選、ブレイキン勝者はYU-KI

 2024年のパリ五輪で新競技として追加されるブレイキン。1970年代にニューヨーク・ブロンクスの路上から始まったストリートダンスのスタイルで、日本には1980年代に伝わり広まった。日本でもたびたびダンスブームが沸き上がり、世界屈指のハイレベル国に成長。昨年からは国内プロリーグ「D.LEAGUE」も始まり、再び大きな注目を浴びている。

 ブレイキンをはじめとするダンスバトルの魅力は、年齢や性別を問わない、誰もが同じフラットな舞台で競えるという点だ。昨夏の東京オリンピックでは、スケートボードで14歳の西矢椛が金メダルを獲得したが、パリ五輪のブレイキンでも若きメダリストが誕生する可能性は十分ある。

 今、ホットなダンス界の中でも、スターの原石が集まる場所として知られるのが、世界最大規模のストリートダンスイベント「マイナビDANCE ALIVE HERO’S」だ。2005年に日本で誕生した「DANCE@LIVE」を前身とし、2018年から「DANCE ALIVE HERO’S」として再スタートした。

 1on1形式のダンスバトルで、北海道、東北、北陸、関東、中部、関西、九州の全国7地区で予選を開催。のべ1万人以上が参加する予選を勝ち上がったダンサーは、両国国技館が舞台となる決勝大会へと勝ち進み、そこで日本最強のダンサーが決定する。

 日本ダンススポーツ連盟ブレイクダンス本部がパリ五輪に向けて指定した、10人の強化選手「BREAKING JAPAN」のうち、ISSEI、SHIGEKIX、TSUKKI、AYUMI、AMI、TOAの6人が、「DANCE ALIVE HERO’S」での勝者、またはファイナリスト。五輪出場を目指す新星たちもこぞって出場するだけに、このイベントをチェックしておけば国内ダンスシーンの今が分かると言っても過言ではない。

 現在は各地で予選を開催中。昨年12月12日には、横浜にあるKT Zepp Yokohamaを舞台に関東予選・CHARISMAX IIが開催され、ブレイキン、ヒップホップ、ハウス、オールスタイルズの4部門で決勝進出のチケットを巡るバトルで火花が散った。

関東予選・CHARISMAX IIではブレイキン、ヒップホップ、ハウス、オールスタイルズの4部門を開催【写真:荒川祐史】

パリ五輪出場を狙う勝者・YU-KI、バトルの醍醐味は「相手との駆け引き」

 ブレイキンには39人のB-BOYとB-GIRLがエントリー。予選ではフロアに作られた4つのサークルに分かれて複数人でバトルを繰り返し、まずは準々決勝に進む8人が選ばれた。準々決勝からは1on1のバトルとなり、1人あたり制限時間1分のムーブを2回披露。その優劣をジャッジが判定し、勝者が次のステージへ駒を進めた。

 ジャッジの基準となるのは、逆立ちをしたり頭を視点にコマのように回転したりするアクロバティックな技の難易度や、その場でDJが選曲して流す音楽に合ったダンスができているか。即興でムーブを組み立てるダンサーたちにとって、知っている音楽が流れるのか、初めて聞く音楽が流れるのかも大きなポイントとなる。

 この日、ステージ上で行われた決勝にコマを進めたのは、世界最高峰のダンスコンテスト「JAPAN DANCE DELIGHT」で2連覇の経験を持つYU-KI(foundnation/九州男児/KOSE 8ROCKS)と、BOBCHANCHYN(WASEDA BREAKERS)。両者ともに躍動感とスピード感あふれる渾身の2ムーブを披露するも、ジャッジの判定はドロー。1ムーブのみの延長戦の末、大胆なアクロバティックムーブを見せたYU-KIが勝利し、両国国技館で行われる決勝大会への出場権を手に入れた。

 コロナ禍の影響もあり、久しぶりのダンスバトル出場だったというYU-KIは、「ブレイキンは相手との駆け引きが多いので、見ていても楽しいし、踊っていても楽しいと思います」と魅力について語る。短いバトルの間には「相手と波長が合うこともあるし、バチバチな雰囲気になることもあります」と笑う。パリ五輪に話が及ぶと「もちろん(出場を)目指しています」とキッパリ。3歳からダンスを始め、6歳からブレイキンに魅せられたという23歳は「まさか五輪競技になるとは思ってもみなかったので、うれしいです。ダンスを続ける上で新しい道ができた。パリでは日本人が金メダルを獲って盛り上がれば最高。もちろん、僕も狙いにいきます」と力強い。

 2年後のパリ五輪に向けて、注目のダンサーたちが出場する「DANCE ALIVE HERO’S」。今後も日本各地での予選開催が予定されている。

(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)