くふうハヤテのチャン・ヒョンジン、韓国SSG入りのため退団
プロ野球の2軍ウエスタン・リーグに参加して2年目のくふうハヤテから、新たなステップアップの道が開けた。今季新加入し、チーム唯一の外国人選手として在籍していたチャン・ヒョンジン(張賢眞)内野手が12日付けで退団し、母国韓国のSSGランダーズに入団すると発表したのだ。「めちゃくちゃ泣きました」というドラフト指名漏れから3年、念願の舞台の入り口に立てた裏側では“2軍球団”でしか出来ない経験がスカウトからの高評価を得る要因となった。
5月23日、静岡県沼津市で行われた日本ハムとの試合後、チャン・ヒョンジンは浮かない表情を見せていた。「7番・一塁」で先発したものの3打数無安打。対戦したのはメジャー通算206試合登板のバーヘイゲンと、最速162キロ右腕のザバラだった。
「ああいうピッチャーと当たるの、初めてだったんです。何が何だかわからないうちに終わっちゃって……」
バーヘイゲンからはどん詰まりの内野ゴロ2つ。ザバラには空振り三振を奪われた。この日も159キロを叩き出したザバラの真っすぐをファウルしたときには「バットも手も『ビーン』って痺れて、あんなの初めてですよ。でも一回見たので、次は打ちたい、打てると思います」。NPB球団の2軍では、1軍級の投手が調整で投げることがしばしばある。そういうボールを打席で感じ、攻略法を考えるという経験は、ここでしかできない。
韓国の複数媒体によると、SSG側がチャン・ヒョンジンを高く評価したのは「日本の独立リーグとウエスタンリーグで、時速150キロ以上の速いボールに適応し、いい打球を飛ばせていること」「過去3年間、日本で出場機会を得るために粘り強く努力する姿を見せてくれた」ことだと報じられている。

打率.156でも買われた経験…日本に渡ったから作れた“遅咲き”の道
韓国では球速の向上が、日本より数年遅れで始まっている。ここでチャン・ヒョンジンが日本で積み重ねた経験は、韓国の若手選手より先をいっていると判断されたのだ。くふうハヤテの試合には、韓国プロ野球の各球団から編成担当者が姿を見せていた。
今季、ウエスタンリーグで残した成績は26試合で64打数10安打の打率.156。10安打のうち5本が二塁打というパンチ力は目を引くものの「もっといい成績を出してから韓国に行きたいと思っていましたが……」というのは本音だろう。初安打までに13打席を要したことを考えれば、ようやく環境に適応し始めていたところだった。
2022年夏に行われた韓国プロ野球のドラフトで指名漏れ。会議の最後まで名前を呼ばれなかった日の記憶は「めちゃめちゃ泣きました。終わった……どうしようという感じで」と今も生々しい。とにかくたくさん試合に出られる環境を探し、未知の日本を目指した。最初は独立リーグの徳島、そしてくふうハヤテと、レベルの高い相手と対戦できる環境を目指した選択は間違っていなかった。
韓国プロ野球の生存競争は、日本以上に厳しい。チャン・ヒョンジンのソウル高のチームメートには、ドラフト指名されたもののすでに解雇され、野球をやめてしまった選手もいる。韓国には企業が抱える社会人野球がない。また近年は独立リーグが誕生しているものの、選手がお金を払ってプレーするケースが多く、環境は日本に遠く及ばない。遅咲きの選手が生まれる環境に乏しく、高校や大学からプロ入りできなかった選手は野球をやめてしまうケースが大半だ。
その中で日本に活路を求めたチャン・ヒョンジン。「マジでレベルが違いました」と、NPBからドラフト指名された選手との日々を振り返る。今度は自分が、日本で身に着けた能力を発揮して、刺激を与える番だ。先駆者の戦いはまだ、続いていく。


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