コロナショックによる株価の下落が止まりません。3月16日(月)にはアメリカのNYダウが過去最大の下げ幅を記録し、2月の高値からは30%超の下落。日本でも日経平均株価が2月の23,000円台から16,000円台まで下落。約1ヶ月で3割も株価が下がるのは過去の歴史でもなかなかないレベルです。

先行きの不透明さがそのまま株価にあらわれている状態といえますが、そんなときだからこそ、冷静に積立投資の有用性を理解しておきましょう。

なぜ積立投資が重要なのか?

株価が下がっているからといって、必ずしも投資をしなければならないわけではありません。しかし、以前の記事でも触れましたが(「多くの人が気づいていない!? 私たちの預金が目減りを続けているワケ」参照)、将来のインフレの可能性に備えるためにも、多少なりとも株式を保有しておくことは重要でしょう。また、将来の円安(円の価値の相対的な目減り)に備えるためにも海外の資産を保有しておくことも重要だと言えます。

つまり、誰もが資産形成を考える際には、国内外の株式や債券、不動産などのさまざまな資産に分散して資産を保有しておくことが、本当の意味での安全性を高めた資産運用につながるということです。これまで資産運用はあまり考えたことがないという人ほど、これを機会にきちんと学んで実践すべきでしょう。

まず、重要な結論から言います。

それは、将来のことは誰にもわからないということです。
だからこそ、タイミングを考えなくても底値圏を拾っていくことができる積立投資が、中長期の資産形成には有効だろうということです。

どんな種類の積立が適しているのか?

今回の株価下落がどこで止まるのか、いつ上昇に転じるのか、それは誰にもわかりません。さまざまな専門家がいろいろと予想するかもしれませんが、誰一人として正確に当てられることはないでしょう。仮に当たったとしても、それは「たまたま」なのです。

短期間でひと儲けしたいという人は、安いところで買って高いところで売る、といった短期での投資をしてもかまいません。FPとしてオススメはしませんが、たまたまであっても、うまくいけばひと儲けも可能でしょう。タイミングに賭けたい人は、自己責任のもとでやってみてください。

やはり、一般の人にオススメなのは積立投資です。もちろん、積立投資のほうが儲かると言いたいわけではありません。積立投資のほうが比較的安全で、中長期の資産形成には向いていると考えられるためです。

とはいえ、積み立てで買うなら何でもいいかというと、そうではありません。特に個別企業の株式を積み立てて、万一その企業が破綻してしまうと、株式の価値は無価値になってしまいます。私も昔勤めていた自社株(山一證券)では約400万円分が紙くずになりました(ちなみに、現在は株券が印刷されていないので、紙くずにもなりません)。

したがって、中長期の積立投資を考えるなら、複数の資産や銘柄に分散投資をしている投資信託で考えるのが無難でしょう。投資信託であれば、ゼロになる可能性はほぼありませんので。

いつか大きな効果につながる積立投資のメリット

積立投資のメリットは、買うタイミングを考えないですむことと、ドルコスト平均法の効果を得られることです。ドルコスト平均法とは、毎月一定額ずつ買っていくことで、安いときには多めに買い、高いときには少しだけ買うことになります。その結果、毎月一定数量ずつ買う場合に比べて、平均購入単価を低く抑えることができるのです。

<一定額投資(ドルコスト平均法)と一定量投資の比較例>

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そして、この平均購入単価を低くできる効果は、値動きの大きなものほど大きくなります。つまり、現在のように株価が大きく上下しているときほど、大きな効果が得られる可能性が高くなるのです。だからこそ、今回の株価下落がどこで止まるかは誰にもわかりませんが、積立投資をしておけば、この下がったタイミングでも買っておくことができるので、それがいつか大きな効果につながる可能性があると考えられるわけです。

例えば、平成バブル期のピークである1989年12月末の日経平均株価は4万円近かったのですが、その当時から毎月末に積立投資をしていたとすると、2019年末時点の平均購入単価は14,500円程度にまで下がってきています。それを平成バブル崩壊後、日経平均株価が初めて2万円を割り込んだ1992年3月から積立投資を始めていたとすると、平均購入単価は14,000円くらいまで下がりますし、リーマン・ショック後、日経平均株価が1万円を割り込んだ2008年10月から積立投資を始めていたとすると、平均購入単価は13,000円近くまで下がる計算になります。

すでに積み立てているなら、継続を

繰り返し書きますが、積立投資なら必ず儲かると言いたいわけではありません。タイミングを正確に当てることができるわけでもありません。しかし、わからないからこそ、さまざまな資産を利用して積立投資をしておくことが、より安全に資産形成をしていく方法なのではないかということです。つみたてNISAやiDeCoなど、積立投資に関する優遇税制も多く存在します。こんな時期だからこそ、考えておくべきではないでしょうか。

なお、すでに積立投資をしている人は、今回の株価下落に動揺することなく、積み立てを継続しましょう。リーマン・ショック並みの調整局面だとすると、元に戻るには5、6年はかかるかもしれません。もしかしたら、今回はもっと長い時間を要するかもしれません。それでも、安くなったところを買いためておくチャンス到来とも考えられるので、日々の値動きに一喜一憂することなく、事態の収束を祈りながら積み立てていきましょう。

※本記事は、執筆者の最新情勢を踏まえた知識や経験に基づいた解説を中心に、分かりやすい情報を提供するよう努めておりますが、内容について、弊社が保証するものではございません。