2021年早々にも、新たな住宅取得支援策の「グリーン住宅ポイント制度」がスタートする見込みです。1戸当たり最大では100万円相当のポイントが付与される魅力ある制度ですが、対象条件など細かな決まり事が多く、自分たちの場合にはどれくらいのポイントをゲットできるのか、シッカリと理解したうえで、上手に活用できるようにしておく必要がありそうです。

4月を待たずに年度内にスタートする見込み

新たに創設される「グリーン住宅ポイント制度」は、2020年度第三次補正予算案に盛り込まれ、2020年12月に閣議決定されました。2021年1月からの通常国会に上程され、成立次第スタートすることになります。

国土交通省では、21年の住宅取得支援策として、

(1)住宅ローン減税の控除期間が13年間

(2)すまい給付金は最大50万円

(3)贈与税非課税枠は最大1,500万円

(4)新築最大40万円相当、リフォーム最大30万円相当の「グリーン住宅ポイント制度」を創設

の4つを挙げています。

このうち(1)〜(3)は21年3月末の21年度税制改正案などの成立を待って、4月以降の動き出しになりますが、(4)のグリーン住宅ポイント制度は、それ以前にいち早くスタートするわけです。
「21年こそマイホームを」と考えている人は少なくないでしょうから、この新制度を上手に活用して、夢を実現していただきたいものです。

持ち家の取得は最大100万円相当のポイントに

住宅を巡るポイント制度はこれまでにも何度か実施されてきましたが、今回のグリーン住宅ポイント制度の特徴として、国土交通省では次のような点を挙げています。

グリーン住宅ポイント制度の概要

1.新築は最大40万円相当、リフォームは最大30万円相当のポイント付与
 ※一定の条件を満たす場合、新築最大100万円相当に引き上げ

2.「新たな日常」等に対応した追加工事にもポイントを交換可能

3.若者・子育て世帯がリフォームを行う場合等にポイントの特例あり

4.住宅の新築・リフォーム、既存住宅の購入で、令和2年(2020年)12月15日から令和3年(2021年)10月31日までに契約の締結等した場合が対象

出典:国土交通省ホームページ

何よりも1戸当たりのポイントが最大で100万円相当になるのが、今回の制度の目玉といっていいでしょう。これまでの制度では多くても50万円相当、60万円相当まででしたから、今回のポイント制度への力の入れ具合がわかります。

住宅の新築(持ち家)…100万ポイントになるのは多子世帯の取得など

その最大で100万円相当のポイントになるのは、住宅の新築(持ち家)の場合です。図表2にあるように、対象となるのは認定長期優良住宅、認定低炭素建築物などの省エネ性能の高い住宅を建てたり、買ったりした場合で、1戸当たりの発行ポイントは基本40万ポイントですが、特例に当てはまるときに、100万ポイントに引き上げられます。

その特例となるのは、東京圏から地方への移住に伴う住宅、三世帯同居仕様である住宅、多子世帯が取得する住宅、災害リスクが高い区域から移住するための住宅――のいずれか一つに当てはまる場合です。

三世帯同居仕様というのは、調理室、浴室、便所、玄関のうちいずれか二つ以上が複数箇所ある住宅を指します。一つの建物でも世帯別に玄関があって、キッチン、バス、トイレがそれぞれについていれば文句なしにOKですし、そうでなくても、玄関やバスは一つでも、キッチンとトイレが二つずつあれば対象になります。また、多子世帯は18歳未満の子どもが3人以上いる世帯のことです。

東京への一極集中に歯止めをかけ、地方創生を推進すると同時に、少子高齢化にも対応していきたいという意向が込められた施策といっていいでしょう。

グリーン住宅ポイント制度の概要
住宅の新築(持ち家)の場合

上記の表の「特例の場合」とは以下のいずれかに該当する住宅です。
・東京圏から移住するための住宅

・三世代同居仕様である住宅

・多子世帯が取得する住宅

・災害リスクが高い区域から移住するための住宅

出典:国土交通省ホームページ

既存住宅の購入(持ち家)…中古住宅の取得は最大で45万円相当のポイント

既存住宅(中古住宅)の取得もポイントの対象になります。

グリーン住宅ポイント制度の概要
既存住宅の購入(持ち家)の場合

出典:国土交通省ホームページ 

表にあるように、空き家バンクに登録されている住宅、東京圏から移住するための住宅、災害リスクが高い区域から移住するための住宅が対象で、基本のポイントは1戸当たり30万ポイントですが、古い住宅の除却(解体)を伴う場合には45万ポイントに引き上げられます。

上記の3つに当てはまらない場合でも、住宅の除却に伴って取得する中古住宅なら、15万ポイントが付与されます。

全国的に空き家問題が深刻化しているなか、防犯や安全、景観などを維持するためにも、空き家の放置をできるだけ少なくしたいという狙いがあるのでしょう。

住宅の新築(賃貸)…一定条件を満たす賃貸住宅も対象になる

コロナ禍以前から、賃貸住宅の不振が続き、新設住宅着工戸数の減少の大きな要因となっています。新設住宅着工戸数の増加によって景気を刺激するためには、この賃貸住宅市場の活性化も重要な課題ですが、今回のグリーン住宅ポイント制度では、賃貸住宅の新築も対象に加えられました。

グリーン住宅ポイント制度の概要
住宅の新築(賃貸)の場合


出典:国土交通省ホームページ

表にあるように高い省エネ性能を有する賃貸住宅が対象で、すべての住戸の床面積が40平方メートル以上であることが条件になります。40平方メートル未満のワンルームタイプなどが1戸でもあれば対象になりません。賃貸住宅でもゆとりある住まいを増やしたいという狙いがあるのでしょう。

1戸当たりのポイントは10万ポイントですが、10戸のアパートなら100万ポイント、20戸なら200万ポイントですから、賃貸住宅の経営を考える人にとっては一定のインセンティブになるのではないでしょうか。

 

リフォーム…1戸当たり30万ポイントが上限に

断熱改修、エコ住宅設備設置などのリフォームもポイントの対象になります。図表5にあるように、リフォームの部位ごとにポイントが決められていて、それを合計したポイントが付与されますが、1戸当たり30万ポイントが上限になります。既存住宅(中古住宅)を購入してリフォームする場合には、各リフォームのポイントが2倍としてカウントされます。

ここでも特例があって、40歳未満の若者世帯、18歳未満の子どもがいる子育て世帯のリフォームは45万ポイント、かつ中古住宅の購入を伴う場合には60万ポイントに引き上げられます。若者世帯、子育て世帯以外でも安心R住宅を購入してリフォームする場合には、45万ポイントまで引き上げられます。

図表5にあるように、断熱改修、エコ住宅設備、耐震改修、バリアフリー改修、リフォーム瑕疵保険等への加入が対象ですが、このうち断熱改修とエコ住宅設備のどちらかが必須とされています。つまり、耐震改修やバリアフリー改修などは、それだけではポイントの対象にならず、断熱改修かエコ住宅設備の設置などに合わせて実施する必要があるので注意してください。

グリーン住宅ポイント制度の概要
住宅のリフォーム

発行ポイント数:1戸当たり上限30万ポイント

【上限特例(1)】若者・子育て世帯がリフォームを行う場合、上限45万ポイントに引き上げ(既存住宅の購入を伴う場合は、上限60万ポイントに引き上げ)

【上限特例(2)】若者・子育て世帯以外の世帯で、安心R住宅を購入しリフォームを行う場合、上限を45万ポイントに引き上げ


※既存住宅を購入しリフォームを行う場合、各リフォームのポイントを2倍カウント
※上記算定特例を除いた発行ポイント数が5万ポイント未満のものはポイントの発行対象外
出典:国土交通省ホームページ

ポイントはどの用途に使える? 追加工事にあてることができる制度も

取得したポイントは、
・「新たな日常」に資する商品
・省エネ・環境に優れた商品
・防災関連商品
・健康関連商品
・家事負担軽減に資する商品
・子育て関連商品
・地域振興に資する商品
などに交換できます。具体的には、グリーン住宅ポイント制度事務局が交換対象商品を募集し、決定後ホームページなどで公表されます。

と同時に、取得したポイントを「新たな日常」(テレワークや感染症予防)や「防災」などの追加工事にあてることができます。

住宅の工事施工者、販売事業者、リフォーム工事業者などが行う追加工事の代金にあてることができるわけで、利用者は別途追加工事費用を用意する必要がなくなります。

まとめ〜各種の支援策をフルに活用して快適な住まいに

冒頭でも触れたように、21年はグリーン住宅ポイント制度だけではなく、さまざまな住宅取得支援策が実施されます。

ローン減税は控除期間が10年から13年になれば、一般の住宅で最大80万円控除額が増えますし、すまい給付金の給付額は最大50万円です。それに、グリーン住宅ポイント制度の最大100万円が加われば、それだけで合計230万円も得する計算です。

加えて、親から多額の住宅取得資金の贈与を受けられる人なら、贈与税を大幅に節約できる効果もあります。

こうした制度をフルに活用し、最新の住まいを取得したり、快適な住まいにリフォームすることなどが可能になります。コロナ禍という難しい問題はありますが、住宅については、21年は大きなチャンスの年かもしれません。