人生の3分の1を過ごすといわれる寝室。快適な睡眠は明日への活力を養うためにも大切です。寝室の場所はどこにする? 周囲の音は大丈夫? プライバシーの確保は? 気になるポイントを押さえながら、寝室の理想的な間取りを考えましょう。北海道で注文住宅を手がける神馬建設の代表取締役、神馬充匡さんにお話を聞きました。

 

寝室の間取りで気をつけたいポイント

寝室は「整える場所」。睡眠で体力を回復させ、心地よい安心感に包まれる場所であってほしいものです。快適な睡眠のために、寝室の場所や間取りはしっかり検討しておきましょう。

寝室を配置する際に考えるポイント
1.朝日
2.外部からの音
3.外部からの光
4.使い方

1.朝日
「朝日を浴びて目覚めたいか、そうではないか、まずはヒアリングして確認します。大人は勤務体系などにより昼間寝なければならない人もいるため、要望に応じていますが、子どもの場合は朝日を浴びて目覚める寝室を推奨しています。理由は体内時計のリセットができ、朝を快適にスタートさせられるからです。すっきりした目覚めは、夜の良質な睡眠にもつながります。朝日は自然の目覚まし時計と考え、積極的に取り入れるといいでしょう」

2.外部からの音
「道路を走る車の走行音や、近隣施設からの音には注意を払います。道路や施設がある方向には配置せず、離れた場所に設計するのがベター。しかし、土地条件やその他の環境により、道路側や施設に近いほうに配置しなければならない場合は、音のする方向に収納を設けたり、窓を作らないなど防御する方法を探ります」

3.外部からの光
「暮らしてみて気づくのが外部からの光です。音や朝日に関しては土地が決まった段階で、道路があるから音がするだろう、東向きだから朝日は入るだろうと想像できます。しかし、信号や看板の発光は盲点となりやすいもの。些細なことに思われるかもしれませんが、入眠時にブラインドの隙間から光が入ってくると、眩しくて眠れずストレスになることも。こういった場合は設計時に窓を設けないのがベスト。建ててしまった後に街の灯りが気になる場合は外構にフェンスを設けたり、外部ブラインドを採用したり、室内側では窓全体を覆うカーテンを併用するなどして対応します」

4.使い方
「住む人の生活様式によっても寝室のプランニングは変わります。例えば、女性でじっくり肌のケアをしたいという人には化粧台を配置したり、ちょっとした書き物や読書をしたいという人には書斎を兼ねたスペースを取るなど、多様なプランが考えられます」

寝室に書斎とウォークインクローゼットを併設(神馬建設提供)

 

寝室の使い方を考えてプランニングを

先に挙げた4つのポイントのうち、最後の「使い方」について、もう少し詳しく説明してもらいました。

「プライベート空間である寝室は、趣味を楽しむ空間として活用する人もいます。マシンを置いてフィットネスを目的としたスペースを確保したり、ヨガやストレッチができる場所を設けて、心と体のリセットを図るのもいいでしょう。また最近では天井にプロジェクターを取り付けてルームシアターとして楽しむ人も増えています。もはや、寝室は寝るだけの場所ではなく、プライベートを楽しむ空間となっているのです」

なかには夫婦別々の寝室を設ける人もいるようです。

「一般的に夫婦の主寝室は1つですが、稀に夫婦別室のパターンもあります。ご主人が仕事の都合上帰りが遅いケースで、『妻や子どもたちの眠りを妨げたくない』という配慮から別室を希望される人もいます。その場合、ご主人の寝室は玄関から近く、バスルームにも近いことが多いですね」

 

インテリアにもこだわって寝室を癒し空間に

心地よい眠りを誘うために、インテリアにもこだわってみましょう。

「寝室の照明は、明るく照らすことよりも、落ち着いた明かりを採用しましょう。調光可能な照明や、間接照明などを使って、リラックスできる状態を作り出します。また、壁紙は暖色系がおすすめ。やさしいカラーリングで安らぎを演出します。具体的にどうしたらいいんだろうと迷ったら、ホテルや旅館の部屋が掲載されている雑誌やWebサイトを見てみましょう。きっと好みのインテリアに出合えるはずです」

 

快適な住まいをつくる「窓」の取り入れ方

先ほど防音のためには対象物がある方向に窓を作らないのがベストという話がありましたが、基本的に窓は採光や通風などの役割を果たす、快適な住まいに欠かせないものです。窓の上手な取り入れ方について知っておきましょう。

ポイント1:風の通り道をつくる
「家のなかに風の通り道を作ることで、エアコンに頼りすぎない快適な住まいが実現します。季節や時間帯によって風の向きが変化するので、それらを考慮して設計することが大切。自然のエネルギーを上手に生かすことで省エネな住まいになります」

ポイント2:プライバシーを守る
「光は取り入れたいけれど、道路があり、通行人の視線が気になる、といったケースがあります。そういうときは窓を高い場所に設計し、通行人から室内が見えないようにします。高い位置から光は入りますが、通行人の目線は気になりません。プライバシーを確保しながら、明るさはキープできるのです。ちなみに高い窓の対面の低い位置に窓をつけると風の通り道ができ、通風にも効果的です」

道路側の窓を高い位置に設定(神馬建設提供)

ポイント3:上手に光を取り入れる
「採光のために窓を設けますが、そこから入ってくる光は室内の温度を左右します。例えば夏の照りつける太陽の光がどんどん部屋に入ってきてしまっては、暑くて部屋にいられません。逆に冬場、太陽の光が入らなければ寒いですよね。そこでポイントになるのが軒の深さ。夏と冬の太陽の位置から光が入る角度を割り出し、直射日光を入れず、やさしい光だけを取り込めるようにします」

 

まとめ

快適な睡眠を確保するため、寝室の配置には気を配りましょう。土地形状や立地条件によって場所の確保が難しいときは、外部要因に対処しつつ、住む人のライフスタイルに合わせた設計が大切です。

【取材にご協力いただいた人】

神馬 充匡さん神馬建設代表取締役
「イエはハウス(住居、一軒家)ではなく、ホーム(家庭、帰る場所)となる」をコンセプトに掲げ、住居と人間の関係を住み方や生活面から考慮したイエづくりを行う。人生の大半を過ごす場所として、明日へのエネルギーを生み出し、健康的で自分らしい豊かなライフスタイルが叶えられるイエ。幸せな生活の基盤となるイエ。地域の特性を生かしながら、風土に根付いたイエづくりで地域の活性化にも貢献している。
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有限会社 神馬建設ホームページ:https://jinba-kensetsu.com/