2021年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公・渋沢栄一の出身地として注目されている埼玉県。東京のベッドタウンの一つでもあるため、マイホーム購入を考えている人も多いでしょう。そこで今回は、日本人の名字がまとめられているサイト「名字由来net」のデータをもとに埼玉県に多い名字や珍しい名字などを紹介します。

※今回ご紹介する名字の由来は諸説あります。

埼玉県に多い名字ベスト50は全国ランキングとどう違う?

「名字由来net」のデータをもとに、全国名字ランキングベスト50と埼玉県名字ランキングベスト50を比較したところ、新井、金子、関根、栗原、関口、島田、大野、福島、大塚、田口、増田の11の名字が、全国名字ランキングベスト50と一致しないことがわかりました。

特に多い名字は新井さんと金子さんです。「新井さん」に関しては埼玉県内の順位が5位で74,200人にあるのに対し、全国では82位の203,000人となっており、全国の「新井さん」の36.5%が埼玉県在住であることがわかりました。

出典:名字由来net

「新井さん」の由来は?

「名字の由来」と「地名の由来」をまとめているサイト「民俗学の広場」によると「新井さん」は関東地方北部特有の名字で、埼玉県北部から群馬県東部、栃木県西部に多いとされています。「あらい」には「新しく開拓した土地に住む」という意味があるといわれており、新田開発の指導者が事業にちなんで名乗っていたという記録もあるそうです。

埼玉県の「新井家」は埼玉県ふじみ野市の川越街道の大井宿にあった旧家で、戦国時代には大井郷の名主、江戸時代には大井宿の本陣と名主を務めたと伝わっています。

「栗原さん」の由来は?

「栗原さん」は関東地方に多い名字で、埼玉県から群馬県東部にかけてまとまって見られます。
埼玉県は「栗原さん」が最も多い県とされ、全国順位の172位に対し、埼玉県では32位。実に全国の「栗原さん」の約22%が埼玉県人ということになります。栗原姓のルーツは中臣栗原氏といい、古代の百済から渡ってきた渡来人といわれています。埼玉県新座市には栗原という地名もあります。

渋沢栄一氏の「渋沢さん」は埼玉県に多い?

“日本資本主義の父”とも称される渋沢栄一氏の名字でもある「渋沢さん」は埼玉県におよそ1,900人。全国の「渋沢さん」がおよそ5,900人で実に「渋沢さん」の32.2%が埼玉県にいることになります。

現在の東京都、埼玉県広域、神奈川県北部にあたる武蔵国、現在の群馬県である上野国、現在の長野県である信濃国などにも見られ、「沢」は沢の地形を表しています。

渋沢栄一像(東京都千代田区大手町・常盤橋公園内)

埼玉の「金子さん」も日本一! 「関根さん」の40%も埼玉県民

「金子さん」も埼玉県に日本一多い名字で、およそ47,900人。全国ランキングでは46位で295,000人ですから全国の約16%の「金子さん」が埼玉にいることになります。

「金子さん」は武蔵国入間郡金子村がルーツという説があります。さらに、埼玉県の「関根さん」は全国の約37%のおよそ37,100人。「関根」姓のルーツには、武蔵国埼玉郡裏慈恩寺村と下野国那須郡関根村(現在の栃木県)から興った清和源氏足利氏流の関根氏であると伝わっています。

そのほか埼玉県の地名が由来とされる名字は?

「熊谷」(くまがや)の「熊」は奥の方(隈)という意味で谷の奥の方を「隈谷」と呼び、後に「熊谷」となったといわれ、武蔵国大里郡熊谷という地名がルーツとされています。

「猪俣」は武蔵国那珂郡猪俣村が、「畠山」は武蔵国男衾郡畠山郷が、「児玉」は武蔵野国児玉郡児玉庄がルーツとされています。ほかにも地名がルーツとされる名字には「柿沼」「原島」「中条」などが挙げられます。

まだまだいる埼玉県の珍名さんとは?

埼玉県には上記以外にも珍しい名字がたくさんあります。地名である埼玉県川越市鯨井の「鯨井」(くじらい、くじいほか)さんは埼玉県に約2,700人、神奈川県北部の武蔵国足立郡遊馬村が起源とされる「遊馬」(あすま、あそまほか)、入間市・川越市に多い「忽滑谷」(ぬかりや、こつなめや)、「舎利弗」(とどろき、しゃりほう)など、初めて目にした時には、まず読めないであろう難しい名字もあります。またその他にも「女部田」(おなぶた)、「煙草」(たばこ)などの珍名さんも存在しています。

そして埼玉には現存する日本一長い名字の一つである「左衛門三郎(さえもんさぶろう)さん」もいます。由来は2説あるとされ、一つは左衛門府という役所に由来し、ここに武家の三男が勤め、「左衛門+三郎」の名字を名乗ったという説、もう一つは土地の分与に由来し、左衛門さんが三男に分与した土地であるという説です。どちらにしても難しいだけに一度目にしたら忘れられないインパクトのある名字です。

まとめ

埼玉県に多い名字としてランクインした「新井さん」や「栗原さん」などについて調べていくと、地名から由来しているものに加え、近隣の群馬県や栃木県にも縁があるであることもわかりました。また由来には地名以外にも、職業や役職などが関係しているものもあることから、いにしえの歴史を感じることができます。自分の名字を調べてみると意外なルーツを知ることができるかもしれませんね。