マンションなどの集合住宅では、上の階や隣の住人の足音や生活音などが聞こえてくることがあります。ある程度はお互いさまですが、限度を超えた騒音に悩まされることになった場合はどうしたらいいのでしょうか。

騒音問題の対処にはコツがあり、騒音を出している人に直接苦情を言ってしまうと逆効果になるかもしれません。騒音問題の解決方法と、そもそも上の階からの騒音を受けにくい物件を探すためにはどのようにすればいいのか、詳しく解説します。

上の階がうるさいときどうすればいい?

マンションやアパートなどの集合住宅では、上の階や隣室の騒音問題は身近なトラブルのひとつです。騒音がひどい場合の対処方法について解説します。

騒音の様子を記録する

騒音問題に対処する際、まずやるべきことは騒音の様子を細かく記録することです。騒音の原因には、足音、テレビ、オーディオなどの音、子どもが出す音やペットの鳴き声などさまざまなものがあります。騒音が発生したときの具体的な日付や時間帯、頻度や持続時間など、具体的な記録を付けましょう。

騒音の様子をビデオカメラで記録することも重要です。ICレコーダーでは、騒音が発生している場所の特定ができません。ビデオカメラで自宅の様子と音をあわせて記録することで、自宅内で騒音問題が発生している証拠となります。

できれば、騒音の音量を図る機器を使って、音量の数値も記録しておくこともおすすめします。騒音が苦情主の主観的な主張ではなく、客観的なデータに基づいたものであることの判断材料になるからです。

管理会社に相談する

マンションやアパートで騒音問題が発生した場合、まずは管理会社に相談してみましょう。騒音問題では、騒音を出している当事者がまったく自覚していない場合があります。管理者が共有スペースに注意書を貼ったり、全戸宛に手紙を出したりすることで当事者が自覚し、解決することもあります。

近隣住人とのトラブルはできる限り避けたいものです。自分が苦情を言っていることが、騒音を出している住人に知られると、逆恨みをされてより大きなトラブルに発展してしまう可能性もあります。

そうした事態を避けるためにも、管理者を通じて全戸同時に注意喚起をしてもらうのが望ましいでしょう。

国民生活センターの裁判外紛争解決手続(ADR)に相談する

管理会社から再三注意してもらっても解決に至らない場合には、次の段階としてADRがあります。「ADR」は、「Alternative(代替的)」「Dispute(紛争)」「Resolution(解決)」の頭文字をとったもので、日本語では「裁判外紛争解決手続」と訳されます。

ADRは、当事者同士で解決ができないトラブルがある場合、裁判まではいかないが第三者に間に入って解決してほしいときに利用する機関です。ADRを利用する際は、当事者がADRの窓口に申し立てをして、手続きを行います。

ADRでは弁護士や元裁判官が間に立ちますが、裁判に比べて手続きが簡便かつ解決までの時間が短く、コストが抑えられます。

弁護士に相談する

騒音問題がこじれてしまい、解決の糸口が見つかりそうにない場合や、相手に損害賠償請求などの裁判を起こしたい場合は、弁護士に相談することもできます。

ただし、騒音問題は具体的にどの程度の相談だと法的に対処すべきだという明確な線引きがないため、訴訟しても勝ち目がないケースもあります。生活音は誰でも出すものであり、我慢できる範囲内(受忍限度)だと判断される可能性があるからです。

また、弁護士にも得意な分野はそれぞれ違います。相談する際は、騒音問題の実績がある弁護士を選ぶといいでしょう。収入によっては無料で法律相談ができる法テラスを利用できます。

騒音問題を解決するコツ

騒音問題の解決にはコツがあります。近隣関係をこじらせずに騒音問題を解決するコツについて解説します。

相手に直接苦情を言わない

騒音トラブルの被害を受けた際、加害者に直接苦情を言うのは危険です。相手によっては、こちらに腹を立て、前よりもうるさくする、といった嫌がらせをされるかもしれません。

上や隣から騒音がする場合でも、天井や壁をつついたりする行為は避けましょう。この場合、自分自身が加害者になってしまい、今後の話し合いがこじれてしまう可能性があります。

自分では気づかないうちに、自分自身が騒音を出している可能性もあります。集合住宅に住む以上、騒音の被害者になった際の対策方法を知っておくのと同時に、自分が加害者にならないように、こちらの記事などを参考に対策をしておくといいでしょう。

マンションの騒音トラブル、悩む前に知っておきたい予防法と対応策

騒音の原因をきちんと探る

騒音の原因や発生源は、必ずしも隣接している部屋ではない可能性もあります。上の階から足音のような振動がしたとしても、上の階からの騒音だと決めつけるのは避けましょう。

マンションでは、断熱材や壁材などの建材が熱収縮する際や、排気ダクトや給水管などの設備の不具合によって振動や音が生じる場合があります。また、マンションの構造的な問題により、上から音が響いてきても発生源は隣や向かいの部屋かもしれません。

騒音問題に対処する際は、騒音の原因や発生源を正確に特定する必要があります。音の種類や発生時間、頻度などを記録し、管理会社に相談して原因を突き止めてもらいましょう。

客観的なデータで記録をとる

どのような音や音量を騒音と感じるかは個人の主観によるところが大きく、騒音に悩む人のストレスやつらさはなかなか伝わりにくいものです。状況を説明し、苦痛やつらさを訴えても、その程度であれば我慢できるはず、と判断されてしまうかもしれません。

先程も説明しましたが、騒音の程度や状況を確実に相手に理解してもらうためには、客観的なデータが必要です。発生時間、音の種類、騒音計で計測した音の大きさなどの記録をとり、データに基づいた訴えをすれば、理解が得られやすいでしょう。

上の階がうるさい物件を選ばないようにするためには

騒音問題への対処方法について解説してきましたが、できることなら騒音問題に悩まされることのない物件に住みたいものです。そもそも騒音問題が発生しにくい物件に住むためにはどうすればいいのかを解説します。

不動産屋に相談する

騒音問題が起きにくい部屋に住みたい場合は、物件選びの段階で騒音問題が起きにくい部屋を望んでいることを伝えておきましょう。

物件の構造や図面から、音が伝わりにくい建物かどうかアドバイスをもらえるかもしれません。過去に騒音問題が起きたことがある物件は避けるなど、あらかじめ騒音問題が起きないよう予防してみてください。

どうしても上の音や隣の音が気になる場合は、少々家賃が高くなる可能性はありますが、最上階や角部屋を選ぶことをおすすめします。

内見は慎重に行う

物件を選ぶ際には、内見を慎重に行うことも重要です。立地や間取りも大切ですが、騒音問題に悩まされないためには、壁や床の遮音性もしっかりチェックしましょう。

ただ見るだけではなく、壁を叩く、ジャンプしてみるなどして音の響き具合を確認します。音が響かず詰まったような感じであれば、コンクリートなどの遮音性の高い壁であると考えられます。

近隣住人の生活スタイルや時間帯によっても騒音状況は変わります。内見する際は、なるべくさまざまな時間帯に訪れて状況を確認しておくといいでしょう。

まとめ

上の階や隣室からの騒音がひどいと、自宅でリラックスできなくなってしまいます。場合によっては安眠が妨害され、体調不良になることさえあるかもしれません。

騒音問題に対処する際の第一段階は、騒音計やビデオカメラを使用して客観的な記録を残し、その記録をもとに管理会社に相談してみることです。それでも解決しない場合は、弁護士などの第三者に入ってもらう方法も検討してみましょう。騒音問題に悩まされないために、物件選びは慎重に行ってみてください。