梅雨らしさが漂う日々が続き、雨の季節への移ろいを感じる6月。主要な都道府県に発令されている緊急事態宣言は延長が決まり、日本経済の影響も長引く懸念が続いてます。このような状況の中での2021年6月の【フラット35】金利動向を見ていきたいと思います。

2021年6月の【フラット35】金利

今月の全期間固定金利型住宅ローン【フラット35】(買取型)の金利は融資率9割以下、返済期間21〜35年、機構団信を含めて1.35%となり5月から0.01%の引き下げ、融資比率9割以下・返済期間15〜20年の金利は1.22%となり、同じく0.01%の引き下げとなりました。

まとめ

最後に今月の金利変動について、不動産や金融についてその業界の人に匹敵する知見をもつ、公認会計士ブロガー千日太郎さんにまとめていただきます。

6月に【フラット35】金利が下がってきた背景

2021年6月分の機構債の表面利率は2か月連続で0.01ポイント下がり、【フラット35】(買取型)の金利も2か月連続で0.01ポイント下がりました。

2021年3月まではワクチンによる経済正常化への期待から実体経済と乖離して長期金利が。上がってきていたのですが、ここ2か月の感染再拡大と変異株の発生から金利が下がり始めているようです。

【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み(※下記に詳細を解説しています)からすると金融市場の金利がダイレクトに住宅ローン金利に影響するため、セオリー通りの動きになっていると言えるでしょう。

5月は3月決算企業の決算発表が多く行われた月でもあります。コロナ禍の巣ごもり需要で業績を伸ばした業種と経済活動の自粛によって大打撃を受けた業種で明暗がクッキリと別れる結果となっています。予想されていたことではありますが、日経平均株価は堅調に推移しており、長期金利にも大きな動きはありません。

一方で、緊急事態宣言の期限が6月20日まで再延長されています。

宣言そのものの実効性が弱まっていることもあり、短期的に状況が好転することは考えにくいのですが、緊急事態宣言によって人流が抑制されている間は再び急激に感染拡大する可能性も低いのではないかと考えています。しかし海外で猛威をふるっている変異株が入ってきていることを考えると予断は禁物ですね。

しかし、仮に今のワクチンが変異株に対しても有効と認められ、世界的に行き渡っていくならば、再び経済正常化への期待から金利が上昇することが考えられます。引き続き、今後の見通しが読めない状況は続いています。

その点、【フラット35】を取り扱う住宅金融支援機構は、一時的な金利の上昇局面において利用者が影響を受けないように融資金利の上昇を抑える対応を取ることがあり、先行きの不透明なコロナ環境下においては特に有利な固定金利と言えるでしょう。

※【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み
住宅ローンの【フラット35】(買取型)は、下図のように住宅金融支援機構が民間金融機関から債権を買い取って証券化し、機関投資家に債券市場を通じて機構債という形で販売するという仕組みになっています。

フラット35の仕組み

この機構債は毎月20日前後に表面利率を発表し募集します。投資家たちは機構債を国が取り扱う安全な債券という考えで購入しますので、機構債の表面利率は国が発行する債券=10年国債の利回り(長期金利)に連動する傾向があります。