季節の変わり目の風物詩となっている衣替え。衣替えは、服に思い出を重ね、去り行く季節を惜しみつつ、新たな季節に思いを馳せながら行いたいものです。しかし、服の臭いが気になったり、カビが生えていたりすると、そのような気分も台無しです。そこで、この記事では、衣替えのときに服やタンスが臭うときの原因と対処法を解説します。

衣替えタンスから服を出したときの気になる臭いとは

まずは、衣替えのときに感じる臭いにはどのようなものがあり、その原因は何かについて解説します。

カビの臭い

絵の具や墨汁のような臭いを感じたら、カビが発生していると考えられます。カビは気温が20〜30度、湿度60%以上の環境を好みます。増殖するには養分が必要で、服に染み込んだ皮脂や食べこぼしがカビの養分になります。

閉め切ったクローゼットや衣装ケースの中は、気温、湿度ともにカビが好む環境になりやすく、そこに雑菌や汚れがついたままの服を入れておくとカビが生えてしまいます。

服に生えるカビには、綿ボコリのような形状で付着する白カビと、黒く点々と現れる黒カビがあります。一般的に、白カビは落としやすく黒カビは落としにくいといわれていますが、どちらにしても目で見える段階になったカビはすでに増殖が進んだ状態です。服に生えるカビは繊維の奥深くに根を張るため、完全に落とし切れない場合も少なくありません。

皮脂や汚れの臭い

皮脂や汗などの汚れ自体も臭いの原因になります。皮脂自体に強い臭いがあるわけではありません。しかし、皮脂や汗を雑菌が分解する際に嫌な臭いが発生します。

肌に直に触れる下着やTシャツなどは、皮脂が付着しやすいため、皮脂や汚れの臭いがつきやすいでしょう。通常、服についた皮脂や汗は洗濯で落とせますが、臭いが強い場合は落としきれないこともあります。皮脂がついた状態で服をしまうと雑菌発生の原因となり、衣替え後の服に臭いがついている可能性があります。

防虫剤の臭い

衣替えで服をしまう際に、防虫剤を入れておく人もいるでしょう。「パラジクロルベンゼン(パラジクロロベンゼン)」「ナフタリン」「しょうのう(樟脳)」などの防虫剤は、スーッとするような特徴的な臭いがします。無臭タイプの防虫剤であれば、臭いはつきません。

衣替えで服やタンスが臭わないようにするためには

衣替えの際に服やタンス、クローゼットが臭わないようにするために、以下のような対策を行ってみてください。

無臭タイプの防虫剤を使用する

防虫剤の臭いが気になる場合は、パッケージに「臭いがつかない」等の表記がある無臭タイプのものを選びましょう。無臭タイプの防虫剤であれば臭いがないため、衣替え後に服に臭いがついてしまうことはありません。

臭いがないと効果が薄いように感じる人もいますが、無臭であっても防虫効果は変わりません。臭いが気になる人は無臭タイプの防虫剤を使用しましょう。

衣替えの前後で洗濯する

服に皮脂汚れなどがついたままの状態で長期間しまっておくと、臭いだけでなく黄ばみやシミ、カビの原因にもなります。汚れや臭いがないように見えても、一度でも袖を通した服には皮脂や雑菌などがついています。衣替えの前は念入りに洗濯するようにしましょう。

ただし、洗濯後はしっかり乾燥させないと、逆に臭いがひどくなってしまいます。しめった洗濯物は生乾きの臭いがしますし、湿気はカビの原因になります。

洗濯は衣替えの後の服の臭いを落とすときにも有効です。

漂白剤や重曹でつけ置きする

服の臭いや黄ばみが気になるときは、漂白剤を使ってつけ置き洗いをしましょう。漂白剤には「塩素系」と「酸素系」があります。

塩素系は漂白力が強いため、色柄物は色落ちしやすく、デリケートな生地は傷む場合があります。これらの服には酸素系漂白剤を使いましょう。つけ置き洗いをする際は、40度くらいのぬるま湯に適量の漂白剤を入れ、服を30分ほど浸してから洗います。

重曹を溶かした水でつけ置き洗いをすることもおすすめです。黄ばみやシミが気になる部分には、重曹に水を少し含ませてペースト状にしたものを揉みこんでおくと、汚れが落ちやすくなります。

アイロンをかける

スチームアイロンをかけるという方法もあります。ポイントは、アイロンは服から少し離してスチームを当てるということです。そうすれば、衣服の生地が痛みにくくなります。

服全体にスチームを当てると、臭いだけでなくシワも取れます。ただし、スチームにより湿ったままの服をそのまましまうと、生乾き臭やカビの原因となります。アイロンをかけた後は湿気を残さないように、しっかり陰干ししてからしまいましょう。

風通しがよい場所に干す

臭いがそれほど強くない場合は、風通しの良い場所に干しておいても臭いがとれるでしょう。

日光による消臭効果と同時に、殺菌効果も期待できます。ただし、色柄物は紫外線によって色が褪せてしまう場合もあるため、真夏などの日差しが強すぎる時期は避けたほうが無難でしょう。

クリーニングに出す

自宅では洗いにくいコートやセーターなどは、衣替えの前にクリーニングに出すことをおすすめします。着用回数が少ない、目立った汚れがない、といった場合でも、繊維の奥に汚れがあるとシミや虫食いの原因になります。

クリーニングから戻ってきたら、ビニールカバーは外してからしまいましょう。ビニールカバーをつけたままにしておくと、湿気がこもってカビが発生するなど、トラブルの原因になります。

タンスを乾燥させる

服の汚れを落として臭いの原因を絶ったとしても、タンスの状態によっては、服にタンスの臭いがついてしまうかもしれません。

桐ダンスなどの木製タンスは、プラスチック製に比べて調湿機能や防虫効果が高いことで知られています。それでもカビが生えないわけではありません。

タンス自体が湿気を帯びないように、タンスと壁との間に隙間を作る、定期的にタンスを開けるなどの対策を行いましょう。あわせて、タンス用の除湿シートを使用すると、より効果的です。

また、ホコリが入っているとカビが発生しやすくなります。衣類を入れる前には、タンスの中をきれいに掃除しておくとよいでしょう。

除湿剤を利用する

タンスやクローゼットなどの収納場所に除湿剤や乾燥剤を入れておくと、湿気を吸ってカビや雑菌の繁殖を防げます。

炭には調湿と防臭効果があるため、麻袋や不織布などに入れて利用するのもよいでしょう。収納場所の湿気対策を行うことで、湿気を好むダニも予防できます。

タンスに石鹸を入れる

タンス特有の臭いが服につくのを防ぐためには、タンスに固形石鹸を入れておくこともおすすめです。

石鹸を直接入れると衣服についてベトベトになってしまうため、ガーゼやネットに包み、直に服につかないようにしましょう。好きな香りの石鹸を入れておくと、服に移った香りをより楽しめます。

また、防虫効果のあるハーブや香料を小袋に入れたサシェ(匂い袋)をタンスに入れても、石鹸同様の効果が期待できます。

まとめ

衣替えのときの気になる臭いを防止するために、まずは自宅やクリーニングでしっかりと服を洗いましょう。しっかり洗った服も、長時間タンスにしまっておくと、どうしても臭いがつきやすくなるので、タンス自体の湿気対策や臭い対策も必要です。

記事で紹介したような対策をしておけば、衣替えの際、臭いに悩まされることなく新たな季節の到来を気持ちよく迎えられるでしょう。