おうち時間が増え、自宅のベランダで家庭菜園を始めてみたいと思っている人も多いのではないでしょうか? また、挑戦したことはあるものの上手く育たなかったという経験がある人もいるでしょう。

誰でも最小限の道具を揃えれば始められる手軽さがベランダ菜園の魅力です。育てる楽しさに加え、食べる楽しみも魅力です。野菜が育っていく様子を間近で見ることができるため、子どもの食育にも繋がります。

今回は残暑厳しい秋から始める、初心者でも失敗しないベランダ菜園成功のポイントを、園芸総合メーカー・タキイ種苗の協力を得てご紹介します。

ベランダ菜園を始める時に何を用意すればいいの?

プラスチック製のプランターや野菜栽培用の培養土などを用意(画像提供:タキイ種苗)

プランター

プラスチック、素焼きなど素材は問いませんが、土を入れるとかなりの重量になります。場所を移動することなどを考えると、プラスチックがおすすめです。小松菜やラディッシュの場合、サイズはプランターの標準タイプである、横65センチ×縦22センチ×深さ18センチ程度のものが扱いやすいでしょう。

土(野菜用の培養土)

プランターで上手く作物を育てるのに重要なのが土選びです。おすすめは野菜栽培用に調整された培養土。基本的な肥料成分であるチッソ、リン酸、カリなどがあらかじめ混ぜ込まれています。リーズナブルな土もありますが“作物の命は土”。園芸専門店やホームセンターなどで販売されている、野菜栽培専用の良質な土を選ぶことが成功のポイントです。

肥料

野菜栽培用の培養土を使う場合、あらかじめ肥料が入っているため、生育期間が1ヶ月〜1ヶ月半と短い野菜であれば別途肥料を用意する必要はありません。ただし、生育が悪い場合などは、1週間に一回程度、水やりの際に液体肥料を与えると生育が良くなります。

その他

プランターの底に入れる鉢底石、ジョウロ、移植ごて(スコップ)、軍手、液体肥料(生育の状態を見て追加)などを用意しておきます。

初心者にオススメの野菜は?

これからの季節は小松菜やラディッシュが育てやすい

極度の寒冷地ではない一般的な気候の地域で、初秋以降に栽培するものとしては、小松菜やラディッシュがおすすめです。またリーフレタス、ホウレンソウなども初心者には育てやすいでしょう。種まきから1ヶ月〜2ヶ月間程度で収穫することができます。

種選びのポイント

ホームセンターや園芸専門店に並ぶ野菜の種は多くの種類があり、どれを選べばいいか迷ってしまいますね。専門メーカーの種であれば生育について大きな差はありませんが、種まきの時期はチェックするようにしましょう。野菜にはそれぞれ生育するために適した温度“生育適温”があります。例えば、前述の小松菜は20℃前後、ラディッシュは15〜20℃といった具合です。種の袋には種まきに適した時期が記載されているので、種まきしたい時期に合っているものを選ぶといいですね。また栽培方法のノウハウなどが詳しく掲載されたホームページを持つメーカーのものを選ぶのもおすすめです。

苗選びのポイント

苗を選ぶ際は茎や葉が太く、しっかりとしているものを選ぶと育てやすいでしょう。野菜によっては初心者のプランター栽培には難しいものもあるので、購入の際はプランター栽培が可能かどうか確認すると良いでしょう。

育て方のコツ

日当たり

栽培場所は日当たりの良い場所が基本です。その点ベランダは最適といえるでしょう。ただし、ベランダの床に直接プランターを置いていると、日当たりが良すぎて床が熱くなることがあります。この場合、すのこを用意し、その上にプランターを置くのがおすすめ。風通しが良くなり、床の熱が直接プランターに伝わるのを防ぐ効果があります。また、手すりなどに遮られて日が当たりにくい場合にはプランタースタンドなどを使用して高さを調節してもOK。ただしマンションなどの場合はプランターが落下することがないよう注意が必要です。

種まき

初心者におすすめなのが“すじまき”というまき方です。プランターの土の上に支柱などの細く長い棒状のものを土に押し当てて2列の溝を作り、 その溝に種を等間隔で種をまいていく方法です。種をまいたら手で全体に土をかぶせ、表面をならし、軽く鎮圧します。すじまきは間引きをする際や栽培の管理がしやすいのでおすすめです。

支柱などを土に押しつけ、種をまくための溝をつくる“すじまき”が初心者におすすめ(画像提供:タキイ種苗)

水やり

土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。水やりには午前中が適しています。残暑の厳しい時期は乾燥するため毎日水やりが必要です。また野菜の成長によっても根の吸水収量代変わります。成長して根が大きく張るようになれば多くの水が必要になります。成長の具合を見ながら水の量を調整するようにしましょう。

防虫

野菜を育てる時に気になるのが虫です。ベランダ菜園であっても虫はつきます。農薬を使わない場合は“防虫ネット”を使う方法がおすすめです。種まきをしてすぐに防虫ネットをかぶせ、外から虫が侵入しないようにしっかりと周りを洗濯ばさみやピンチなどで止めます。ネットの上からでも水やりは可能で、間引きや収穫の際にはネットを外します。

[防虫ネットの使用法]

(1)支柱を曲げて土に刺す(画像提供:タキイ種苗)

(2)防虫ネットをかぶせる(画像提供:タキイ種苗)

(3)防虫ネットの端をピンチで止める(画像提供:タキイ種苗)

(4)完成(画像提供:タキイ種苗)

収穫後の土はどうすればいい?

収穫が終わった後の土はふるいなどを使って根などを取り除きます。収穫後の土は作物が肥料や養分を使っているため、再利用する場合には堆肥や肥料を与えて混ぜ合わせます。使わない場合は、各自治体のゴミの処理方法に従って処分するようにします。

まとめ

ベランダのスペースを生かし、手軽に始められる家庭菜園。まずは基本的な栽培方法をマスターするために育てやすい野菜選ぶと良いでしょう。慣れてきたら季節に合わせた種や苗を選び、さまざまな種類の野菜や果物作りに挑戦してみてはいかがでしょう。

【取材協力】
タキイ種苗株式会社
タキイ種苗は、創業180年以上の歴史をもち、高品質の野菜や草花の種子・苗を生産、供給している種苗メーカー。野菜種子の売上で国内トップクラスのシェアを誇ります。ベランダ菜園、家庭菜園などで簡単に育てることのできるタネから、農家(生産者)が使用するタネまで、幅広く展開。同社が開発し、人気の高い品種として、トマト「桃太郎」、切花向けヒマワリ「サンリッチ」などが知られています。
https://www.takii.co.jp/