お風呂を沸かすとき、1回につきどのくらいのガス代がかかっているのかご存じでしょうか。お風呂の沸かし方や使い方をちょっと工夫するだけで、ガス代を節約できるかもしれません。

今回は、お風呂のガス代について解説します。シャワーのみ使用する場合のガス代や、お風呂に使用するガス代の節約方法なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。

ガスには都市ガスとプロパンガス(LPガス)の2種類がある

日本では、おもに都市ガスまたはプロパンガス(LPガス)のどちらかを使用します。都市ガスは主成分がメタンの天然ガス、プロパンガスはプロパンやブタンを主成分とする液化石油ガスです。

ガスは冷却・圧縮すると液体化する性質をもっています。国内で使用される都市ガス・プロパンガスの大半は液状で海外から輸入され、まずはタンクに貯蔵されます。その後、都市ガスは製造所で気体に戻し、ガス管を通じて各家庭に供給。プロパンガスは液体のままボンベに充填され、各家庭に運ばれる、という仕組みです。

都市ガスは公共料金のため、価格が安いという点にメリットがあります。ただし、都市ガスが整備されていないエリアでは使用できません。一方のプロパンガスは業者によって料金を決められるため、都市ガスに比べると高額になりがちです。しかし、ボンベで供給でき、災害時でも復旧が早いというメリットがあります。

お風呂1回あたりのガス代は?

使用量に応じたガス料金を求める計算式は次のとおりです。

上昇温度×水量÷(熱効率×発熱量)×基準単位料金(円/立方メートル)

ここでは次のような条件で、お風呂を沸かす際の都市ガスとプロパンガスの料金の違いを解説します。

・上昇温度:25度(15度の水を40度のお湯にする)
・水量:200リットル(一般的な浴槽の適当な水量)
・熱効率:80%(省エネタイプではない給湯機の熱効率)
・1ヶ月のガス使用量:30立方メートル(一般家庭の平均的なガス使用量)

都市ガスの場合

都市ガスの発熱量は、1立方メートル当たり11,000Kcalです。東京地区の一般契約で月の使用量が30立方メートルの場合、基準単位料金は130.46円となります。これを上記の条件で計算式にあてはめると、以下のとおりになります。

25度×200リットル÷(80%×11,000kcal)×130.46円=約74.13円

お風呂を1回沸かす際にかかる都市ガスの料金は、約74円です。

プロパンガスの場合

プロパンガスは都市ガスと違い、業者によって金額に差があります。ここでは、東京都の基準単位料金496.06円で試算してみましょう。プロパンガスの発熱量は都市ガスよりも大きく、1立方メートル当たり24,000Kcalです。

25度×200リットル÷(80%×24,000kcal)×496.06円=約129.18円

お風呂を1回沸かす際にかかるプロパンガスの料金は、約129円となります。

シャワーのガス代は?

シャワーヘッドの機能によって差はありますが、1分間シャワーを出しっぱなしにした場合の水量は8〜15リットルほどです。

ここでは、次のような条件でシャワーの利用時間別にかかるガス代を試算してみましょう。

水量:1分あたり10リットル(シャワーの平均的な水量)
上昇温度:25度(15度の水を40度のお湯にする)
熱効率:80%(省エネタイプではない給湯機の熱効率)

都市ガスの場合

都市ガスの発熱量は、1立方メートル当たり11,000Kcalです。基準単位料金が130.46円の場合、使用料に応じたガス料金を求める計算式<上昇温度×水量÷(熱効率×発熱量)×基準単位料金>にあてはめると、次のような結果となりました。

プロパンガスの場合

プロパンガスの発熱量は、1立方メートル当たり24,000Kcalです。基準単位料金を496.06円とすると、次のような試算結果になりました。

お風呂のガス代を節約するためにすること

浴槽に40度、200リットルの湯をはり、髪やからだを洗う際に10分間シャワーを使用した場合、1回あたりならびに1ヶ月(30日分)にかかるガス代の目安は次のようになります。

上記はあくまで試算です。家族の人数やお風呂の使い方などによっては、さらにガス代がかかっているかもしれません。ここからは、お風呂のガス代を節約するための方法を紹介します。

お風呂のフタはこまめに閉める

追い焚きや足し湯をすれば、さらにガス代がかかります。お湯が冷めないよう、お風呂のフタはこまめに閉めることを心掛けましょう。

髪やからだを洗うときにはフタを閉めるなど、ちょっとした手間がガス代の節約につながります。家族が時間を空けずに続けて入浴する、保温シート使用するなどして、湯温を下げない工夫をしてみてください。

追い焚きと足し湯どちらが節約になるか調べる

追い焚きはぬるくなった湯を沸かし直す方法、足し湯(さし湯)は熱い湯を足して温度を上げる方法です。追い焚きと足し湯のどちらがお得かは、給湯器の種類や沸かし方、家族構成などによって異なります。

ぬるま湯で半身浴をする

お湯の温度を高くするほど、また水量を多くするほどガス代はかかります。200リットルの15度の水を40度にする際にかかるガス代の試算では、都市ガスで約74円、プロパンガスは約129円という結果になりました。これを100リットル、38度に変更すると、それぞれ次のようになります。

・都市ガスの場合
(38度−15度)×100リットル÷(80%×11,000kcal)×130.46円=約34円

・プロパンガスの場合
(38度−15度)×100リットル÷(80%×24,000kcal)×496.06円=約59円

腰が浸かる程度の半身浴でもからだは温まりますし、ガス代だけでなく水道代の節約にもつながるので、試してみてはいかがでしょうか。ちなみに、一般的なユニットバスの浴槽容量(満水時)は、0.75坪サイズで220〜280リットルほど、1坪タイプで260〜310リットルほどです。

給湯器を省エネタイプにする

ガス代節約のためには、省エネタイプの給湯器に交換するという方法もあります。省エネタイプの給湯器は、従来の給湯器に比べて熱効率が高く、少ないエネルギーで効率よく湯を沸かせます。ガス燃焼で発生する二酸化炭素の排出量も減らせるため、環境保全にも役立つでしょう。

一般的な給湯器と比べると、本体や工事費などの導入費用は高めですが、ランニングコスト(月々のガス代)は抑えられます。要件を満たせば補助金制度を利用できることもあるため、自治体のWebサイトなど確認してみてください。

シャワーヘッドを節水タイプにする

節水タイプのシャワーヘッドに交換すれば、ガス代だけでなく水道代の節約も期待できます。節水に加え、霧状の柔らかい水流が楽しめるミストシャワーや、ピンポイントに強い水流をあてられるマッサージシャワーなど、さまざまな機能を搭載した製品が発売されています。

ただし、節水タイプとはいえ、水を出しっぱなしにしていては節約になりません。使うときにはこまめに止水するようにしてください。

ガス会社やプランを見直す

プロパンガスと違い、都市ガスは地域ごとに決められたガス会社を利用するしかありませんでしたが、2017年4月に家庭向け都市ガスの自由化が始まりました。

消費者が自由に契約先を選べるようになったため、ガス会社や料金プランを見直すことでガス代を節約できるかもしれません。一度見直してみてはいかがでしょうか。

まとめ

お風呂を沸かすときにかかるガス代は、1回につき数十円程度です。しかしながら、1ヶ月、1年となると大きな金額になります。しかし、使い方によっては、お風呂1回あたりのガス代は節約できます。ガス代を抑えるために、ぜひ紹介した節約方法を試してみてください。