高収入というイメージの強い年収2,000万円の人は、日本に実際どれくらいいるのでしょうか。また、年収2,000万円だと手取り額はどれくらいになるのでしょうか。この記事では、年収2,000万円の実態について統計などを用いて紹介。どんな職業であれば年収2,000万円を目指せるのかについても解説していきます。

年収2,000万円の人はどれくらいいるのか

年収2,000万円を稼ぐ人と聞くと、直感的に一握りしかいないと考える人も多いのではないでしょうか。ここでは国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」を通して実態を見ていきましょう。

同調査によると、1年を通じて勤務した給与所得者5,245万人のうち、年間給与2,000万円超2,500万円以下の人は、12万4,000人で全体の0.2%。2,500万円超の人は14万5,000人、全体の0.3%であり、合計でも全体の0.5%に過ぎません。こうして見ると、統計上も年収2,000万円以上の人はかなり少ないといえるでしょう。

年収2,000万の手取り額

年収2,000万円といっても、実際手元に残るのは税金や社会保険料などを除いた金額です。続いては、年収2,000万円の場合の手取り額について具体的に見ていきます。

ここでは、Webサイト「ウェルスハック」の早見表から、年収2,000万円の内訳を紹介します。なお、以下の内容は次の条件のもと算出した目安額です。

●給与所得者
●所得のない配偶者や扶養親族がいない人
●給与所得控除、基礎控除、社会保険料控除のみを考慮



出典:「【早見表・計算フォームつき】年収300万円〜5000万円の手取りを解説」

上記より、年収2,000万円の手取り額は1,268万円。賞与がないと仮定すると月額100万円ちょっとということになり、想像よりも少なく感じるかもしれません。

年収2,000万超の給与所得者は確定申告が必要

年収2,000万円を超える人は確定申告が必要

給与所得者の場合、毎月の給与や賞与から税金が天引きされる源泉徴収のため、基本的に確定申告を行う必要はありません。しかし、給与所得者であっても年収2,000万円を超える人は、原則確定申告が必要です。

節税対策として確定申告が有効と言われることもありますが、給与所得者が使える節税方法としては決定的なものはなく、個人事業主のような節税手段は使えません。節税を考えるのであれば、副業による事業所得や不動産取得を得たうえで青色申告を行い、青色申告特別控除を受けるといった対策を考えたほうがいいでしょう。

年収が高いと不利になる制度

年収2,000万円は高所得といえますが、日本では所得税が累進課税となっているのをはじめ、収入が高くなると各種制度面で不利になるケースも多いのが実情です。特に、近年は格差が社会問題化しており、高所得者に厳しい制度変更が続いています。

給与所得控除が固定

収入から経費を差し引くことのできない給与所得者に対し、個人事業主と同じような経費分の控除を認めようという考えから設けられている制度が給与所得控除です。年収が上がるごとに控除額も増えていく仕組みですが、年収850万円を超えると控除額は上限の195万円に固定されます。つまり、年収850万円以上では収入が上がるほど、控除の割合が小さくなるのです。

配偶者控除が受けられない

所得金額が一定以下(給与所得のみの場合は103万円以下)の配偶者がいる納税者に対し、一定金額の所得控除を認める配偶者控除。納税者本人の所得金額が900万円を超えると段階的に控除額が減っていき、1,000万円超になると控除が受けられません。なお、配偶者控除においては、年収ではなく所得が基準となっている点は要注意です。

児童手当が減額

子育て支援として、子どもがいる世帯に対して現金を支給する児童手当制度。3歳未満の子どもがいる世帯では1人につき月額1万5,000円、3歳〜中学生までの子どもについては1人につき月額1万円(第3子以降は1万5,000円)が支給されます。

この制度では、モデル世帯(年収103万円以下の配偶者と児童2人が扶養対象の世帯)において年収960万円以上だと特例給付扱いとなり、子ども1人につき一律5,000円の支給に減額されます。さらに、2022年10月からは、夫婦どちらかが年収1,200万円以上の世帯に対する手当が廃止される予定です。

高校無償化が受けられない

所得要件を満たす世帯では「高等学校等就学支援金制度」を活用でき、公立高校であれば実質的に学費無償で通うことができます。所得要件は子どもの人数などによって異なりますが、おおむね年収910万円以上だと制度が適用されない可能性があります。

年収2,000万円を目指せる職業

ほんの一握りといえる年収2,000万円を目指せるのは、どのような職業なのでしょうか。芸能人やプロ野球選手といった実現可能性の低いものを除き、比較的現実的なものをピックアップして紹介していきます。

上場企業の役員

年収2,000万円というと上場企業勤めでも役員クラス

平均給与の高い大手上場企業に勤めているというだけでは、年収2,000万円を達成するのは難しいといわざるを得ません。年収2,000万円を実現するためには、出世して取締役などの役員クラスを目指す必要があります。つまり、一般社員ではなく、経営陣の一員にならないと年収2,000万円は厳しいといえるでしょう。

プロジェクトマネージャー

IT開発を担うプロジェクトチームをまとめるプロジェクトマネージャーは、ITエンジニアの頂点ともいえるポジションです。デジタル化の波のなかでITエンジニアの重要性はますます高まっており、プロジェクトマネージャーも年収2,000万円を十分に狙える職業の一つ。ITエンジニアであれば目指せる道ですが、年収2,000万円を達成するには高いスキルが求められます。

外資系コンサルタント

コンサルタントのなかでも、経営コンサルタントや戦略コンサルタントは高収入なことで知られます。特に外資系大手のコンサルタント企業で出世していけば、年収2,000万円を目指せるでしょう。ただし、コンサルタント業界は実力主義であり、高収入を得るには豊富なビジネス経験や知識が欠かせません。

フルコミッションの営業職

営業職は、成果に応じたインセンティブが設定されている場合が多く、優秀な営業成績を残せば高収入を狙えます。なかでも、不動産の売買や生命保険などの営業職で、完全歩合で報酬を得るフルコミッション契約を結んでいる人であれば、年収2,000万円も到達可能。しかし、営業成績が収入に直結するため、コンスタントに達成できるとは限りません。

開業医

高収入職業の代表格である開業医

高収入な職業というイメージの強い医師ですが、非常勤による収入がある場合などを除き、勤務医で年収2,000万円に到達するのはハードルが高いと考えられます。一方、開業医は勤務医に比べて高収入といわれ、年収2,000万円どころか、それ以上の収入を得るのも夢ではありません。

会社経営者

給与所得者である限り、年収2,000万円を目指すのは困難な道であるといえます。対して自ら起業して会社経営者となり、事業を成功させることができれば、収入は青天井です。

また、ここまで紹介してきた年収2,000万円を目指せる職業は、いずれも学歴が問われるものであることが多く、学業が優秀でないと、土俵に立つこと自体が難しいのが実情です。対して、自分で起業する場合には学歴は関係ないので、誰でも年収2,000万円に到達できる可能性があります。

まとめ

高嶺の花というイメージの強い年収2,000万円以上ですが、統計で見ても給与所得者全体の0.5%に過ぎず、ほんの一握りであることがわかりました。上場企業の役員、プロジェクトマネージャー、開業医などであれば、年収2,000万円に到達できる可能性もありますが、こうした職業は誰でもなれるわけではありません。

もし本当に年収2,000万円を目指すのであれば、自ら起業してオーナー社長になるほうが現実的かもしれません。ただし、こうした選択にはリスクがつきものですから、考えられるリスクと希望する生き方のバランスをよく考えながら行動するようにしましょう。

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