2022年4月28日に約20年ぶりの1ドル130円台をつけ、歴史的な円安となっています。さらに円安を解消すべく、日米の金利差を縮小するため、日本での利上げに関する報道もされています。そんな中での2022年5月の【フラット35】金利はどうなったのでしょうか。動向をお伝えします。

2022年5月の【フラット35】金利

今月の全期間固定金利型住宅ローン【フラット35】(買取型)の金利(最低金利)は融資率9割以下、返済期間21〜35年、機構団信加入で1.48%となり3月から0.04ポイント引き上げに。一方、融資比率9割以下・返済期間15〜20年の金利は1.35%と、同じく0.04ポイント引き上げて、4ヶ月連続の引き上げとなりました。

 

まとめ

最後に今月の金利変動について、不動産や金融についてその業界の人に匹敵する知見をもつ、公認会計士ブロガー千日太郎さんにまとめていただきます。

指標の長期金利が政策の上限まで上昇したことが【フラット35】に影響

日銀は現在の金融政策で長期金利の上限を0.25%程度としており、国債をこの水準で無制限に買い入れることで金利上昇を抑え込んでいます。4月中旬以降から月末にかけてこの上限まで金利が上昇しており、2022年5月の【フラット35】(買取型)の金利も上昇しました。

機構債発表日前日の長期金利は0.04ポイント上がり、これを反映して機構債の表面利率は0.50%と前月から0.04ポイント上がりました。そして、【フラット35】(買取型)の金利は0.04ポイントの上昇となっています。【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み(※)にあるように、市場の長期金利を反映して住宅ローンの金利が決定されています。

日銀が今の金融緩和政策を継続するという前提を置けば、長期金利が0.25%を超えそうになったら、日銀が利回りを指定して国債を無制限に買い入れる措置、いわゆる「指し値オペ」によって金利の上昇を抑え込むということになります。そのため、5月の1.48%(長期金利が0.24%で機構債の表面利率が0.50%)が【フラット35】(買取型)のほぼ上限になるのではないかと思います。もちろん、長期金利が0.25%になったタイミングで機構債の表面利率が決まればさらに0.01ポイント上昇する余地はありますので、概ね上限に近いというニュアンスです。

ただしこれは日銀の金融政策によります。現在日銀は長期金利の上限を0.25%程度としているのですが、今後の金融政策決定会合でこの上限が引き上げられたなら、長期金利はさらに上がる可能性があります。そうなると長期金利と連動性の強い【フラット35】の金利の上限も同じ幅だけ上がることを意味します。

米連邦準備理事会(FRB)が5月に0.5%の利上げを行う可能性については、ほぼ既定路線で金利に織り込まれていると考えられます。現在の注目は0.75%のさらなる大幅利上げを実行するかどうかに移っています。この調子で米国が利上げのペースを上げていけば、懸念されている悪い円安が進み、日銀が金融政策を転換する可能性も示唆されています。住宅ローンの実行までは金利の動向に目を配っておき、複数の金利タイプで審査を通しておくことをお勧めします。

※【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み
住宅ローンの【フラット35】(買取型)は、下図のように住宅金融支援機構が民間金融機関から債権を買い取って証券化し、機関投資家に債券市場を通じて機構債という形で販売するという仕組みになっています。機構債は毎月20日前後に表面利率を発表し募集します。投資家たちは機構債を国が取り扱う安全な債券という考えで購入しますので、機構債の表面利率は国が発行する債券=10年国債の利回り(長期金利)に連動する傾向があります。

フラット35の仕組み