新築・中古、マンション・戸建てにかかわらず、このところは住宅価格が上がり続けていますが、上がり方は一様ではありません。地域によって動きが異なり、高くなり過ぎているエリアでは反動から一時的にしろ、平均価格が低下しているところもあります。具体的な動きを東京23区の戸建て住宅の例で見てみましょう。

平均5,000万円台も5LDK以上は9,000万円近くに

不動産情報の総合サイト「アットホーム」の調査によると、東京23区の2022年4月の中古戸建て住宅の平均価格は5,740万円でした。

間取りタイプ別に見ると、図表1にあるように3DK以下の平均価格は5,788万円で、3LDK〜4DKが5,462万円、4LDK〜5DKが5,496万円、5LDK以上が8,895万円でした。5DKまでは平均5,000万円台ですが、5LDK以上になると格段に高くなります。一般的に部屋数が多いほど土地面積や建物面積が広くなりますし、大型の物件は富裕層向けとして、都心などの価格水準の高いエリアに立地することが多く、建物や仕様・設備のグレードも高いため、このような大きな差が生じるのでしょう。

売り出されている物件数を見ても、3DK以下は3,000件台、3LDK〜4DKと4LDK〜5DKは7,000件台に対して、5LDK以上は1,050件となっています。5LDK以上の大型物件は希少性も高そうです。

出典:「不動産情報サイト アットホーム」より著者作成(2022年4月時点)

23区で最も高い港区の平均価格は2億円台に

2022年4月の東京23区別の中古戸建て住宅の平均価格は図表2にある通りです。

23区の中で最も高いのは港区の2億3,617万円で、渋谷区が1億7,276万円、目黒区が1億6,508万円で続き、文京区、中央区、世田谷区までは1億円台で、平均でも億戸建ての区は6区になります。都心やその周辺の人気住宅地が多いエリアであり、中古住宅になっても、かなり高い価格で取引されています。

反対に、23区の中で平均価格が最も安かったのは葛飾区の4,652万円でした。最高値である港区の2億3,617万円の、5分の1以下で手に入れることができます。

葛飾区の中でも、新小岩駅はJR総武線快速で東京駅まで13分ほど。葛飾区役所に近い青砥駅からだと、都営浅草線直通の京成押上線で日本橋駅まで約20分です。都心まで直結しているこの立地で、港区の5分の1以下なのですから、お買い得と言っていいのではないでしょうか。

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新小岩駅
青砥駅

葛飾区に次いで安いのは足立区の4,656万円で、墨田区の4,860万円が続いています。東京23区で、中古戸建て住宅の平均価格が5,000万円を切っているのはこの3区だけでした。

出典:「不動産情報サイト アットホーム」より著者作成

都心の人気エリアでは値下がり傾向も

2022年4月の東京23区の中古戸建て住宅の平均価格を、1年前の2021年4月の平均価格と比較し、増減率のベスト5とワースト5を一覧表にしたのが図表3になります。

上昇率が最も高かったのは港区の30.0%で、それに目黒区の29.1%、中央区の28.4%が続いています。都心や城南・城西の価格水準が高いエリアの上昇率が高い傾向にありますが、なかには、このエリアでも品川区、文京区、渋谷区のように増減率がマイナスになっている区もあります。価格が上がりすぎた結果、手が届かないと諦める人たちも増えて、下落しているのかもしれません。

それに対して、城北・城東エリアは相対的に価格水準が低いのですが、二桁台の上昇率を示している区が少なくありません。たとえば、北区は24.5%、台東区は19.9%、荒川区は16.7%の上昇率で、平均価格が一番安い葛飾区は11.9%の上昇率です。

※ここでいう都心は千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、城南は品川区、目黒区、大田区,城西は世田谷区、中野区、杉並区、練馬区、城北は文京区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、足立区、城東は台東区、墨田区、江東区、葛飾区、江戸川区とします

出典:「不動産情報サイト アットホーム」より著者作成

上昇率の高いエリアが多い城北・城東

都心や城南・城西エリアで購入できれば、買ったあとの資産価値の上昇が期待できるものの、エリアによっては、高くなりすぎているので、下落するリスクもあるということです。

それに対して、城北・城東エリアは都心などに比べて価格水準が格段に安いだけに、割安感から購入されるケースが増え、全般的に価格の上昇率が高くなっています。

先に触れた葛飾区のように都心に直結し、交通アクセスや生活利便施設が都心並みに充実している場所もあります。そうしたお買い得感のあるエリアで戸建て住宅を購入、便利さを享受しながら、将来性に期待するのもよいのではないでしょうか。

中古戸建て住宅は築年数による差が少ない

中古住宅は完成後の築年数によって価格が変わります。同じような広さ、グレードの物件であれば、築年数が長くなるほどに安くなるはずですが、最近は中古戸建て住宅の売り物件が減っていることもあって希少性が高まり、築年数による価格の低下があまり見られないようになってきました。

図表4は、東京23区で平均価格が最も高い港区と、最も安い葛飾区の築年数帯別の平均価格を折れ線グラフにしたものです。一見して分かるように、葛飾区では、築年数帯にかかわらず平均価格4,800万円台でほとんど変化がありません。

ただ、港区では築年数が長くなるほど平均価格が高くなっています。さまざまな要因が考えられますが、早くに建てられた住宅ほど、駅前などの利便性の高い立地が多く、土地面積や建物面積も広い傾向にあります。そのため、築年数が長くなるほど平均価格が高くなるという逆転現象が起こっているのではないでしょうか。

中古戸建て住宅を取得するのであれば、こうしたエリアによる価格動向を参考にしながら選択してほしいところです。

出典:「不動産情報サイト アットホーム」より著者作成(2022年4月時点)

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