東京都市部の中古マンション市場の動向を見ると、武蔵野市や三鷹市のように東京23区並みかそれ以上に高い市もあれば、1,000万円台で手に入る市もあります。23区からの距離や、沿線、間取りなどによっても価格には大きな違いがあります。アットホームのデータをもとに、東京都市部のマンション動向を見てみましょう。

武蔵野市の平均価格は5,158万円で23区以上

東京都市部の市別の中古マンションの平均価格は、図表1にある通りです。

最も高いのは、武蔵野市の5,158万円で、三鷹市が4,571万円、国立市が4,565万円、国分寺市が 4,480万円などで続いています。

武蔵野市の5,158万円という価格は、隣接する東京23区の杉並区の4,497万円より高く、23区の平均水準のレベルにあります。武蔵野市にあるJR中央線の吉祥寺駅は新宿駅や東京駅まで直通しているほか、京王井の頭線で渋谷駅につながっていて、交通アクセスに恵まれています。また、駅周辺には駅ビルやデパートなどの大型商業施設がそろう一方、アーケード街などの昔ながらの街並みが残っていて、前進座附属養成所のある前進座ビル、吉祥寺シアター、武蔵野芸能劇場、武蔵野スイングホールなど文化施設も豊富。幅広い世代の支持を得ています。

それでいて、少し駅から離れると閑静な住宅地が広がり、井の頭公園などの緑に恵まれているのも魅力です。こうした条件がそろっているため住宅地としての人気が高く、各種のランキング調査でも上位にランクされているのは周知の通りです。

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出典:「不動産情報サイト アットホーム」より著者作成

JR中央線沿いの各市の平均価格の高さが目立つ

2位につけたのは三鷹市で平均価格4,571万円。1位の武蔵野市に隣接し、JR三鷹駅の北側は武蔵野市で、南側に市域が広がっています。商業施設は吉祥寺駅に依存する傾向が強かったのですが、近年は駅前の再開発が盛んで、生活利便性も充実しています。JR中央線の特別快速も止まるうえ、東京メトロ東西線の始発駅でもあるので、吉祥寺駅よりむしろ交通アクセスは恵まれているかもしれません。

平均価格トップの武蔵野市との価格差は600万円近くあるため、利便性がさほど変わらないのであれば、三鷹市を選択するのもありかもしれません。

3位以下は、国立市が4,565万円、国分寺市が 4,480万円、小金井市が4,322万円などで続いています。JR中央線でさらにその先の八王子市は2,659万円とかなり安くなるのですが、その分取引件数は523件と、市部では最も多くなっています。
いずれも、JR中央線に市の中心の駅があり、東京都市部におけるJR中央線の人気の高さを物語っています。

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三鷹駅 / 国立駅 / 国分寺駅 / 武蔵小金井駅 / 八王子駅

京王線の府中市は平均価格が4,000万円台

東京都市部にはJR中央線のほか、主な路線としては西武池袋線、西武新宿線、京王線、小田急小田原線などが走っています。東急各線もありますが、ほとんどは23区から神奈川県に入るので、東京都市部を取り上げている今回の記事の対象路線には入りません。

西武池袋線沿線では西東京市が3,540万円で、東久留米市が2,995万円、清瀬市は3,077万円などとなっています。23区に隣接する西東京市は3,000万円台半ばですが、そこからさらに路線を下って清瀬市・東久留米市を見ると3,000万円前後に下がります。このほか、西武新宿線が通るそ小平市の平均価格は3,121万円などとなっています。

京王線沿線では、平均価格が高い順に府中市が4,121万円で、調布市が3,720万円、稲城市2,990万円、多摩市2,864万円などとなっています。

さらに小田急小田原線では世田谷区に隣接する狛江市が4,051万円と、ほぼ23区並みの価格ですが、その先の町田市まで行くと3,348万円です。町田市は神奈川県に非常に近い位置にあるため、価格もやや下がるようです。

支線が走る市部では平均価格が1,000万円台も

JR中央線やそのほか私鉄の主要路線が走っていない市部では、価格が格段に安くなります。「交通アクセス、生活利便性などはさほど気にならないけれど、東京アドレスにこだわりたい」などということであれば、主要路線が走っていない市を選択するのもありかもしれません。

たとえば福生市は1,930万円で、羽村市は1,775万円、青梅市は1,688万円といったように、2,000万円を切って1,000万円台で購入できる市もあるのです。

最近は、新型コロナウイルス感染症の拡大で、在宅ワーク中心の人が増えているため、23区の勤務先からかなり離れた場所でもOKという考え方も増えているでしょう。固定観念にあまりとらわれずに、中古マンションの場所選びを考えてみてはどうでしょうか。

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福生駅 / 羽村駅 / 青梅駅 

武蔵野市では築年数が古くなるほど高い⁉

中古マンションの価格は、エリアの問題だけではなく、築年数や間取りなどによっても変わってきます。希望のエリアが決まっていて、そのエリアの平均価格には手が届かない場合、多少築年数の古い物件にも対象を広げれば、予算内で手に入る物件が見つかることがあります。

図表2は東京都市部で最も取引件数が多い八王子市と、一番価格が高い武蔵野市の築年数帯別平均価格を示しています。
八王子市では築3年以内の平均価格は4,794万円ですが、築5年を過ぎると4,000万円台の前半に下がり、築15年を超えると3,000万円台まで低下します。これなら検討の範囲内という人もいるのではないでしょうか。

ただ、どのエリアでもそうなるわけではありません。人気が高く新築マンションがなかなか出てこないエリアでは、築年数が古くなっても価格が下がらないことがあります。図表2の武蔵野市がまさにそうです。築年数の短い築浅物件は新規売り出しがほとんどないため、統計が取れないほど。築11年以降は築年数が古くなるほど価格が高くなる傾向が見られるので、注意が必要です。

出典:「不動産情報サイト アットホーム」より著者作成

コンパクトタイプからステップアップも

間取りタイプによっても価格帯が違ってくるので、ライフステージやライフスタイルの変化に合わせて、コンパクトタイプからファミリータイプへステップアップしていくという考え方もあるでしょう。

図表3にあるように、東京都市部で一番平均価格が高い武蔵野市でも、間取りタイプによって価格帯は大きく異なっています。平均価格が5,000万円を超えていても、1R〜1Kなら2,000万円を切っていますし、1DK〜2DKは3,000万円台です。資産価値の安定したエリアのため購入後に価格帯が大きく低下するリスクは小さいので、買い換えによるステップアップが可能なケースが多いのではないでしょうか。

取引件数の最も多い八王子市でも、同じようなことが言えます。武蔵野市ほど間取りタイプによる差は大きくないので、むしろステップアップしやすいかもしれません。ただ、武蔵野市と比べて売却の際にマンション価格が下がりやすい可能性もあるので、その点の注意が欠かせません。

東京都市部の中古マンションと言っても、エリアや築年数、間取りなどによって価格帯は大きく異なります。自分たちの現状だけではなく、将来設計を見通したうえで、後悔のない選択をしていただきたいものです。

出典:「不動産情報サイト アットホーム」より著者作成

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