ふるさと納税に興味があるものの、どのような仕組みなのかわからないという人もいるのではないでしょうか。ふるさと納税で所得税・住民税の控除を受けるには、控除を受けるための手続きが必要です。また、控除額には上限があります。今回は、ふるさと納税の仕組みやメリット、手順、注意点などをわかりやすく解説していきます。

ふるさと納税とはどのような仕組みなのか

まずは、ふるさと納税の仕組みや上限額について解説します。基本を押さえることで、制度を利用するイメージを得やすくなるでしょう。

ふるさと納税の仕組み
ふるさと納税とは、確定申告やワンストップ特例制度によって、自分のふるさとや応援したい自治体に寄付をする制度です。寄附をした金額から自己負担の2,000円を引いた金額が控除されます。さらに、自治体から地元の特産品などの返礼品(寄附額の30%以内)を受け取れることも、この制度の魅力です。

また、ふるさと納税では寄附金の使い道から寄附したい自治体を選ぶこともできます。たとえば、被災地支援や動物の殺処分をなくす取り組みなど、自分が興味のあるプロジェクトを実施している自治体に寄附をすることが可能です。

ふるさと納税の上限額
ふるさと納税は税額控除を受けられる上限額が定められており、納税者本人の収入と家族構成の組み合わせによって変わります。

上限額の目安は次のとおりです。

出典:ふるさと納税ポータルサイト|総務省

上記の表のうち、「共働き」は本人が配偶者(特別)控除の適用となっていないケースを指します。また、「夫婦」は配偶者に収入がない場合であり、「高校生」は16歳から18歳の扶養親族、「大学生」は19歳から22歳の特定扶養親族です。

収入が多く、また扶養親族が少ないほど上限額は高くなります。

ふるさと納税のメリット

ふるさと納税は納税者、自治体双方にメリットがある制度です。納税者側のメリットには以下のようなものがあります。

・自治体から返礼品として特産物などを受け取れる
・地元の発展に役立てられる
・寄附金の使途から自治体を選ぶ方法もある
・自分で寄附先を選べる
など

在住している自治体に住民税として納める場合は、使い道を指定することはできませんが、ふるさと納税なら可能です。また、寄附をした自治体から特産品などを受け取ることで、地元の魅力を知ることができます。

次に自治体側のメリットには以下のようなものがあります。

・寄附金を地域の発展に役立てられる
・財政収入が得られる
・地元の特産品をアピールできる
など

自治体にとっては、ふるさと納税を通じて財政収入を得られるチャンスです。さらに、地元の特産品や魅力をアピールすれば、観光や移住に興味を持ってもらえる機会にもなるでしょう。

ふるさと納税の手続き

ふるさと納税で税金の控除を受けるには、確定申告かワンストップ特例制度の手続きが必要です。それぞれの内容について解説します。

確定申告をする
確定申告とは、1月1日〜12月31日までの所得と税額を計算し、原則、翌年の2月16日〜3月15日までに税務署へ申告し、所得税額を確定する仕組みをいいます。

給与所得者でも2,000万円を超える給与収入がある人や、1年間に寄附をした自治体が6ヶ所以上ある人などは、確定申告による手続きが必要です。その際は、税務署へ確定申告書と寄附金受領証明書を提出します。

確定申告をすると、所得税と住民税から控除を受けられます。

ワンストップ特例制度を利用する
ワンストップ特例制度とは、確定申告をしなくても寄附金控除を受けられる仕組みです。1年間に寄附をした自治体が5ヶ所までなら利用できます。1つの自治体に複数回寄附をした場合は1ヶ所とされるため、寄附先が5ヶ所以内であれば利用が可能です。

寄附先の各自治体へ申請書と必要書類を提出することで適用となり、提出期限は寄附をした翌年の1月10日です。

ワンストップ特例制度の場合は、所得税からの控除はなく、住民税のみ税額控除の対象となります。

ふるさと納税の手順

ふるさと納税の手順は次のとおりです。

1.控除上限額を調べる
2.寄附をする自治体を決める
3.寄附を申し込む
4.返礼品と寄附金受領証明書が届く
5.確定申告またはワンストップ特例制度で寄附金控除の手続きをする

前述したように寄附金控除には上限額があるので、自身のケースを調べた後、返礼品や応援したい地域を選んで寄附を申し込みます。寄附はクレジットカード決済でも可能です。その後に自治体から返礼品と寄附金受領証明書が送られてくるので、寄附金受領証明書を保管します。

ワンストップ特例制度は寄附のたび、各自治体に申請書と本人証明書類を提出してください。確定申告の場合は年一度、確定申告書類に寄附金受領証明書を添えて税務署に提出します。

ふるさと納税の注意点

ふるさと納税の注意点には、自己負担、節税効果、確定申告の3つがあるので解説します。実際にふるさと納税を行う前に把握するとよいでしょう。

上限額を超えると自己負担になる
ふるさと納税の控除上限額を超えてしまうと、その部分は全額自己負担となります。自己負担を避けたい場合は、上限を超えないようにあらかじめ確認が必要です。

ふるさと納税の金額自体に上限はないため、寄附数を増やして返礼品を受け取ることは可能です。ただし、控除対象額には上限があり、超えた分は純粋な寄附になります。

節税できるわけではない
ふるさと納税は節税の手段にはならないという点に注意が必要です。納税額が少なくなるのではなく、寄附をした金額分が所得税や住民税から控除されるにとどまります。つまり、翌年の税金を前払いしていることと同じです。

たとえば、本人の給与収入500万円の夫婦の上限額は4万9,000円なので、上限いっぱいの寄附を行うと、自己負担額の2,000円を引いた4万7,000円分が、ワンストップ特例制度を利用すると翌年の住民税から控除され、確定申告を行うと翌年の住民税控除に加えさらに所得税も還付されるということです。
節税効果はありませんが、自己負担の2,000円以上の返礼品を受け取れればお得といえます。

確定申告をするとワンストップ特例制度の申請が無効になる
ワンストップ特例制度は、確定申告の必要がない人に適用される制度です。そのため、何らかの理由で年末調整を受けられなかったなど、確定申告が必要な場合はワンストップ特例制度の申請が無効になります。

もちろん確定申告で申請すれば寄附金控除が適用されますが、申請書の作成や税務署への申告など、ワンストップ特例制度よりも手間がかかる点に注意が必要です。

まとめ

ふるさと納税は応援したい自治体へ寄附をすることで、税金の控除を受けられる制度です。節税にはならないものの、地元の返礼品を受け取れるというメリットがあります。ただし、税額控除には上限があるため、あらかじめ確認しておく必要があります。また、控除を受けるには、確定申告やワンストップ特例制度の申請が必要なので、忘れずに手続きを行いましょう。