東芝の2017年3月期決算で、10日に提出期限が迫る有価証券報告書(有報)に対して、監査を担当するPwCあらた監査法人が「不適正」か「限定付き適正」のいずれかになる見通しを東芝に伝えたことがわかった。東芝が16年12月に公表した米原発事業の損失について、前年の16年3月期決算で数千億円を処理しておくべき「誤り」があったと指摘したという。

 PwCあらたが問題視するのは、東芝が米原発子会社ウェスチングハウス(WH)関連で17年3月期に計上した約6千億円の工事損失引当金。「東芝は昨年12月の公表より前に損失を認識するべきだった」と主張し、16年3月期決算に計上しなかった会計上の誤りがあったとしている。

 関係者によると、PwCあらたは16年3月期に計上するべきだった金額を「数千億円」と伝えた。しかし、東芝と当時の監査担当だった新日本監査法人は「指摘に根拠がない」と修正に応じない姿勢だ。

 このため、PwCあらたの監査意見は、100%のお墨付きを与える「適正」にはならない見通し。意見を先送りする「不表明」は避ける方針で、誤り部分以外は適当と認める「限定付き適正」と、決算の信頼性を否定する「不適正」のいずれかになる案を示した。