薬の公定価格となる薬価を決める制度の抜本改革をめぐり、厚生労働省は特許期間中のほぼすべての新薬が対象の加算を絞り込む案について、対象を当初想定より拡大する方針を固めた。減収となる製薬団体などから反発があったためだが、医療費増加を抑える効果は弱まることになる。

 薬価は2年に1度見直され、市場価格が下がっていれば薬価も引き下げられる。だが今は特許期間中のほぼ全ての新薬が「新薬創出等加算」によって、価格が維持されている。製薬会社が新薬開発にかけた原資を回収する目的で、加算総額は年約1千億円に上る。そのため財務省が廃止を含め見直しを求めてきた。

 厚労省は来年度の診療報酬改定で仕組みを改め、治療効果が高く革新的なものに加算対象を絞り込む方針だが、製薬業界の反発で対象を広げることにした。

 加算には薬ごとと製薬会社につける二つがある。具体的には、新薬開発の取り組みなどを基にランク付けした会社の上位5%ほどを対象に価格を維持できる加算をつける方針だったが、これを25%ほどまで拡大する。これ以外の企業には新薬開発の取り組みの貢献度に応じて加算を下げていく。対象とする薬の加算要件も当初より広げる。