住友不動産は30日、東京・西新宿にある築46年の高層ビル「新宿住友ビル」が改修工事を終えて完成したと発表した。ビル周囲の空間に大きな屋根を張り、ビルの低層部からつながる約3250平方メートルの屋内広場に生まれ変わらせた。既存ビルを生かす形での大規模改修は珍しいという。

 1日に開業する。屋根の天井高は約25メートルで、ビルの1〜7階部分に相当する。約2千人を収容できる。イベント広場として使うほか、災害時には帰宅難民2850人分を受け入れられる。非常用の発電機や備蓄倉庫も設けた。新型コロナウイルスの感染状況を見極めてイベント実施を決めるといい、当面は机や椅子を置いて、休憩スペースにする。

 新宿住友ビルは、ビルの断面が三角形なことから「三角ビル」との愛称で呼ばれる。210メートルの高さは1974年の完成時は日本で最も高かった。周囲に広い空間を確保したことで、容積率を緩和してできた超高層ビル群の一つだ。

 オフィス街の西新宿は平日に比べて休日は人が少ない。このため、ビルの足元の広い空間に屋根を設け、天候によらずイベントができる場を作ろうという構想を20年ほど前から練っていたが、規制が多く、実現しなかったという。だが、東日本大震災を機に、災害時の一時滞在施設としても使えることから、空間の屋内化に向けた規制緩和が進んだ。ビルは耐震性も強化し、商業施設も新しくした。宮川享之新宿事業所長は「別のビルに生まれ変わらせるつもりでやってきた。ビルを建て替えることなくにぎわいを取り戻す第一歩にしたい」と話した。(南日慶子)