政府は、経営難のJR北海道の財政支援を延長する方向で検討に入った。JR北の株式を所有する鉄道建設・運輸施設整備支援機構を通じて2019〜20年度に約400億円を支援しているが、根拠となる関連法の規定が来年3月で切れるため、来年1月開会予定の通常国会に改正案を提出。21年度以降も支援を続ける方向だ。同じ枠組みのJR四国の支援も継続する。

 JR北の鉄道事業は慢性的な赤字で、国は18年7月に経営改善を求める監督命令を出して財政支援を決定。JR北は赤字路線の廃止などを進め、北海道新幹線の札幌延伸後の31年度の経営自立をめざしている。全路線の営業距離の約半分にあたる13区間を単独では維持困難とし、うち5区間を廃止する方針(2区間は廃止済み、1区間は廃止決定)。8区間では国や地方自治体の支援を前提に存続させる方向で協議を進めている。政府はこうした状況から、一定の経営改善が進んでいるとして支援を継続する方向となった。

 ただ、コロナ禍でJR北の経営は一段と悪化。20年9月中間決算の売上高が前年同期比39・2%減の519億円、純損益は過去最悪の149億円の赤字(前期は3億円の赤字)となった。JR北は21年度以降の複数年の支援と、年間約200億円規模の支援額の上積みを求めている。

 同様にJR四国の経営も厳しく、20年9月中間決算は売上高が前年同期比54・4%減の115億円、純損益は53億円の赤字(前年同期は12億円の黒字)だった。ともに中間決算の公表を始めた00年以降で最低を記録。業績改善に向けて、来年3月のダイヤ改定に合わせた大幅な減便や、運賃の値上げも検討する。

 ただ、運輸各社はいずれもコロナ禍で経営が厳しく、支援の増額には所管する国土交通省内にも慎重論がある。長期の支援についても経営改善の状況を年ごとにチェックすべきだとの声も根強く、年末にかけて詰めの協議を行う。(長崎潤一郎)