キューバ革命の立役者、チェ・ゲバラが撮った写真の展示会が9日から、東京都内で開かれる。今年は没後50年。来日した長男カミーロ・ゲバラ氏(55)は「父がレンズを通して見たものを知って欲しい」と語る。6日には、父が58年前に原爆ドームを撮影した広島市も訪れる予定だ。

 アルゼンチンで生まれて医学を学んだゲバラは、中南米を回るなかで貧困などの問題を意識するようになり、フィデル・カストロらと1959年にキューバ革命政権を樹立。再び革命を起こそうとボリビアで戦っていた67年に殺害された。

 今回、展示されるのは、ゲバラが世界各地で撮影した約240点。若き日にオートバイで中南米を旅した際や、キューバ革命後に親善使節団長としてインドやエジプトを訪れた際の写真が含まれる。潜伏中にセルフタイマーで撮った自分の姿や、家族写真もある。

 カミーロ氏によると、ゲバラは独学で写真を学んだ。報道写真家として生活していた時期もあり、55年にメキシコで開かれたパンアメリカン競技大会では、アルゼンチンの通信社のカメラマンとして取材した。「父は、写真を愛し、情熱を持っていた」と話す。

 ただ、旅や戦いを通じて失われたフィルムも多い。ゲバラから預かっていたものを、グアテマラ人の友人がハバナに届けてくれたこともあり、写真展が実現したという。

 ゲバラは革命成功直後の59年に広島も訪れていた。被爆者の声を聞き、妻に宛てて「平和のため断固闘うには、この地を訪れるべきだ」と絵はがきを送っていた。カミーロ氏は6日の原爆の日に、広島で献花する。「広島で殺された大勢の犠牲者に、慰霊をしたい」。写真展では、ゲバラが原爆ドームを収めた写真も展示される。

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 「写真家チェ・ゲバラが見た世界」は27日まで、恵比寿ガーデンプレイスのザ・ガーデンルーム(目黒区)で。詳細は主催するInterFM897のサイト(http://che-guevara.jp/)。(平山亜理)