国立がん研究センターは9日、がん患者を5年間追跡した生存率の集計結果を発表した。全てのがんの平均は65・2%だった。全国425のがん診療連携拠点病院などの拠点施設のうち、2008年にがんを診断した209施設の約21万件のデータを集計した。07年診断の患者を集計した前回より全体で0・9ポイント高かった。

 部位別で見ると、5大がんでは胃70・4%、大腸72・6%、肝臓38・5%、肺39・1%、乳房(女性のみ)92・7%と、前回とほぼ同じ。今回は食道や膵臓(すいぞう)など六つのがんも集計し、施設ごとの生存率を初めて公表した。

 ただし、患者の状態や年齢などにばらつきがあるため、施設間で単純に数字だけを比較することは難しい。同センターは「施設が治療結果を振り返り質の向上につなげることを期待している」という。

 また、全国の427の拠点施設で15年にがんと診断された約70万件の診療情報も集計した。院内がん登録として毎年集計するが、今回特別に高齢者についての分析もした。75歳以上は、それ未満の年代と比べてがんと診断されても治療をしない割合が高かった。15年のステージ4の大腸がんでみると、40〜64歳で「治療無し」の割合は4・6%、65〜74歳は6・7%。これに対し75〜84歳は14・7%、85歳以上は36・1%と高かった。

 がんの部位別で登録数が最も多かったのが、大腸で、肺、胃、乳房、前立腺の順だった。

 データは同センターが運営するサイト「がん情報サービス」で見ることができる。生存率集計は(http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/brochure/hosp_c_reg_surv.html)、院内がん登録集計は(http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/brochure/hosp_c_registry.html)で。(服部尚)

■部位別のがん「5年生存率」

全体     65・2%

胃      70・4%

大腸     72・6%

肝臓     38・5%

肺      39・1%

乳房(女性) 92・7%

食道     43・4%

膵臓     9・9%

子宮頸部   75・6%

子宮体部   82・8%

前立腺    97・7%

膀胱     71・2%

*国立がん研究センターの報告書から