獣医学部新設をめぐる政府の国家戦略特区ワーキンググループ(WG)のヒアリングに学校法人・加計(かけ)学園の幹部らが同席していた問題で、公表された議事要旨の内容に、実際のやりとりと異なる部分があることが7日、内閣府などの説明で明らかになった。安倍晋三首相は、特区WGの議論が「すべてオープンになっている」としているが、その根拠が揺らいでいる。

 この日の民進党調査チームの会合で焦点になったのは、愛媛県と同県今治市が獣医学部の新設提案を説明するため2015年6月に開催され、今年3月に公表されたヒアリングの「議事要旨」のやりとりだ。

 議事要旨には、内閣府の藤原豊・地方創生推進室次長(当時)が冒頭、「資料その他、議事内容は公開の扱いでよろしゅうございますでしょうか」と問いかけ、愛媛県の山下一行・地域振興局長(当時)が「はい」と了承したやりとりが載っている。

 WGの八田達夫座長は6日、愛媛県・今治市側は当初、非公開を希望していたと説明。今年1月、同学園が今治市に獣医学部をつくることが決まったのを受けて、「できる限りオープンに」との八田氏の判断で議事要旨を公表したという。

 調査チームの会合では、公開・非公開をめぐるやりとりについて民進党の議員から「改ざんされているのではないか。山下局長は本当に『はい』と言ったのか」(山井和則氏)などと批判の声が上がったが、内閣府の塩見英之参事官は否定。「非公開を希望したことはあえて書かず、公表用に、そこは公表を希望しているとも読める議事要旨を作った」などと述べた。

 塩見氏は「非公開を希望したという内容のまま議事要旨という形で外に出ると、非公開を希望しても公開されると誤解され、新しい提案をされる方が萎縮する恐れがある」とした。

 この日、WGの八田氏と原英史委員も記者会見を開いた。原氏の説明ではヒアリングの冒頭、(1)内閣府から議事内容の公開の可否を質問(2)愛媛県が非公開を希望(3)内閣府が獣医学部の新設提案自体の公表の可否を質問(4)県が了承――というやりとりがあったという。

 議事要旨では(2)と(3)のやりとりを削除したため、愛媛県が議事内容の公表を了承したとするやりとりになっている。原氏は「公開にあたって内容を調整した」と説明した。

 一方、ヒアリングに同席した加計学園幹部の発言については「公式な発言ではない」(原氏)として、議事要旨にも、今後公開される議事録にも載らないという。

 八田氏はこれまで、議事内容の公表を根拠に「一点の曇りもない」と繰り返し説明してきた。会見で現在の認識を問われた八田氏は「(議事要旨の)冒頭のところは変えたが、正式な発言はすべて公開している」と強調した。