戦時中、三菱重工業長崎造船所(長崎市)に徴用された朝鮮半島出身者のものとみられる約3400人分の名簿を、長崎地方法務局が47年前に廃棄していたことが8日、わかった。法務局が7月、被爆者手帳の交付を求める元徴用工を支援する市民団体に通知した。

 市民団体側は、名簿は元徴用工が被爆者の認定を受けるための証拠になる可能性があると訴えており、同法務局の対応は記録の保存を求めた国の通達にも反していると批判している。

 長崎地方法務局などによると、廃棄されたのは、未払い賃金などがある3418人について、未払い分が同法務局に供託された際に添えられた名簿。

 市民団体の「強制動員真相究明ネットワーク」(神戸市)が名簿の所在を同法務局に確認したところ、「保存期間が満了した」として1970年8月31日付で廃棄された、との連絡が今年7月にあった。

 同法務局は取材に対し、「現存資料からは(名簿に)朝鮮半島出身者が含まれているかどうかは確認できない」と説明している。ただ、ネットワークが国の別の資料を調べたところ、同じ時期に三菱重工からほぼ同人数分が供託された記録があったといい、ネットワーク側は朝鮮半島出身者の名簿だとしている。