警視庁高井戸署員が2015年、当時中学3年だった少年2人に対し、暴言をはくなどの不適切な任意聴取をして人権侵害をしたとして、東京弁護士会は10日、同署に書面で警告した。少年らは同級生に万引きをさせたとして聴取を受けた際、署員から「おまえを高校に行けなくしてやる」などと言われたという。

 警視庁の森本敦司・生活安全総務課長は10日、経緯を説明。不適切な聴取があったことを認めた上で、「署員らが責任感から行った。事案を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に努める」と述べた。捜査の結果、万引きの強要は確認できなかったとしている。

 警告書によると、少年2人は同級生が「万引きを強要された」と話したため、15年12月19日、高井戸署で同署員から別々に約2時間、任意の聴取を受けた。その際、1人がやりとりを録音していた。署員から黙秘権は告げられず、「逮捕状でも何でも取ってやる」「鑑別(所)でも少年院でもぶちこむしかない」「認めないと牢屋に入れる」などと言われた。少年2人は聴取のすえ、万引きの強要を認める説明をし、1人は反省文を書いたという。

 少年2人は昨年4月、署員を特別公務員暴行陵虐などの容疑で東京地検に告訴。告訴は取り下げたが、同9月には東京弁護士会に人権侵害の救済を申し立てた。弁護士によると、同署は今年4月、署長名で「署員の対応に不適切な点があった」と書面で回答し、少年2人に謝罪したという。警告書は、署員らの行為について「黙秘権、供述の自由を侵害する」と指摘。今後、こうした威迫行為がないよう求めている。