520人が亡くなった日航機墜落事故から12日で32年。「三十三回忌」にあたる今年、池田隆美さん(当時53)の遺族は、御巣鷹の尾根で古くなった木の墓標を石碑に替えた。生きていた証しを残すために――。妻の知加恵さん(84)はこの夏、もう一つ、夫がそばにいた証しを見つけた。

 今年7月、事故当時に住んでいた大阪府茨木市の家を整理していると、押し入れから高島屋の包装紙が巻かれた古い箱が出てきた。潰れ、しみができ、表に貼ってある宛名書きは黄ばんでいた。

 1985年8月12日の事故の前日、夫の隆美さんが大阪高島屋で買ったジャケットだ。袖の長さが合わず直しに出し、事故後に自宅に届いたものだった。