政府系金融の商工組合中央金庫(商工中金、社長=安達健祐・元経済産業事務次官)が国の制度融資で不正を繰り返した問題で、ほぼすべての店舗が不正に関わっていたことがわかった。商工中金は全容を調査中で、月末にも結果を発表する。関与した職員は数百人にのぼり、安達社長の辞任は避けられない情勢だ。

 問題があったのは、景気悪化などで企業の経営が悪化した時に低利で国が貸す「危機対応業務」。窓口となった商工中金は、実績を伸ばすため基準外の企業の経理資料を改ざん。不正に国の利子補給金を受け取り、低利で貸していた。

 昨秋の不正発覚後、商工中金の第三者委員会が融資の一部を調べ、さらに商工中金が全体を調査している。これまでの調査で、不正がなかったのは数店にとどまった模様だ。本支店など100店のうち99店で融資を行っており、ほぼ全店で不正があった。関与した職員も数百人にのぼる。

 第三者委の一部融資の調査では、35店で99人が関与し、760件、414億円分の不正がわかった。全体の調査で、不正に関与した店舗と職員は拡大し、件数や融資額も増える見通しだ。9月末の予定だった結果公表は、不正の関与者が調査チームにいたことが発覚し、1カ月遅れの10月末以降となる見通しだ。

 第三者委は営業現場への「ノルマ」が背景にあるとしたが、安達社長は「営業店が誤解した」などとして経営責任を明確に認めていなかった。経営陣は報酬を一部返納したが、不正がほぼ全支店に広がり、安達社長の辞任を含む経営陣の交代は不可避の情勢となっている。