17日午後8時25分ごろ、名古屋市中区錦3丁目のビルの9階にある漫画喫茶店で「刃物を持ってもみあっている人がいる」と110番通報があった。愛知県警によると、男性1人が頭や胸などを刺されており、搬送先の病院で死亡が確認された。県警は、現場で刃物を持っていた住居不詳、無職の稲田府見洋(ふみひろ)容疑者(22)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕し、殺人容疑に切り替えて調べている。

 県警によると、稲田容疑者は刃渡り約15センチの果物ナイフで男性を刺し、殺そうとした疑いがある。稲田容疑者は男性とは「面識がない」と説明しており、「自分が死ねないから、むかついて刺した」と話しているという。男性は失血死で、20〜30代ぐらいとみられる。

 現場は東海地方最大の繁華街の大通りに面したビル。パトカーが集結し、騒然とした。稲田容疑者とみられる男が警察官に身柄を確保されている様子を見たという名古屋市南区の男子大学生(19)は、「パトカーが続々と来て、やばいかなと思って見に行ったら、建物の上の方から叫び声が聞こえてきた」。稲田容疑者とみられる男は「おとなしい様子だった」という。

 このビルにあるカラオケ店を利用していた女性会社員(27)は「店を出たときに『9階で人が刺された』と聞いた。もし(容疑者が)逃げていて鉢合わせをしたら危なかった」と驚いた様子で、「物騒なので先輩と一緒に帰ります」と話した。