走行中の東海道新幹線車内で男女3人が襲われて殺傷された事件で、JR東海は13日の定例記者会見で、被害者に馬乗りになっていた小島一朗容疑者(22)=殺人容疑で送検=に対し、新幹線の男性車掌が「やめてください」「話を聞きます」と、駅に停車するまでの約15分間にわたり説得を試みたことを明らかにした。容疑者は刃物を振り下ろすことをやめたが、無言だったという。

 JR東海によると、事件は、新横浜駅を出て3分後の午後9時45分ごろ、12号車で発生。10号車にいた30代の車掌は逃げる乗客から「刃物を持っている人がいる」と聞き、午後9時48分ごろ、12号車に駆けつけた。

 12号車の中央付近では、小島容疑者が、死亡した会社員梅田耕太郎さん(38)=兵庫県尼崎市=に馬乗りになり、刃物を振り下ろしていた。車掌は防護のため、外したシートの座面を持って近づき、さらに車内にあったキャリーバッグに持ち替え、それを盾のようにして近づいたという。

 車掌が何度も説得を試みると、小島容疑者は動きを止めたが、言葉のやりとりはなかったという。新幹線は午後10時3分に小田原駅に停車。待ち構えていた警察官が乗り込み、小島容疑者を取り押さえた。(山下奈緒子)