東京電力の小早川智明社長は14日、福島県庁で内堀雅雄知事と面会し、福島県楢葉町と富岡町にまたがる福島第二原発について、「廃炉の方向で具体的な検討に入りたい」と述べた。東電が第二原発廃炉の方針を明言するのは初めて。福島県では第一原発の原子炉6基すべての廃炉が決まっており、第二原発の4基が廃炉となれば県内から原発がなくなることになる。

 小早川社長は面会後、報道陣に「すべて廃炉の方向は取締役会で説明し、大きな方向性としては賛意を得ている。あいまいな状態を続けることは復興の妨げになる」と述べた。内堀知事は「第二原発を含む全基廃炉は県民の強い思い。県全体の根強い風評を早期に払拭(ふっしょく)する大切なスタートになる」と話した。

 第二原発は東日本大震災で自動停止して以降、動いていない。現在は使用済み燃料プールに約1万体の核燃料が保管されている。

 県や地元自治体は、原発事故の被害や住民感情を踏まえ、第二原発の「全基廃炉」を求めていたが、東電はこれまで、再稼働するか、廃炉にするかの判断を示していなかった。

 第二原発は1号機が1982年に運転を開始。最も新しい4号機が87年で、出力はいずれも110万キロワット。すべてが運転開始から30年を超え、原則の運転期限である40年に近づいていた。原発を動かせる状態に戻すだけで1400億円程度かかる見通しで、再稼働に向けて新規制基準に対応するには、数千億円規模の追加投資が必要だった。(石塚広志)

     ◇

 〈東京電力福島第二原発〉 同社福島第一原発から約10キロ南の福島県楢葉町、富岡町に立地。1〜4号機まであり、1号機の稼働は1982年に始まった。出力は計440万キロワット。2011年3月の東日本大震災時に地震と津波の被害を受け、全基が停止した。福島県議会と県内全59市町村議会が、県内全基廃炉を求めている。