国の天然記念物のカメやトカゲを無許可で捕まえて飼育したとして、警視庁は8日、埼玉県北本市の飲食店員の男(23)を文化財保護法違反の疑いで書類送検し、発表した。「物心がついたころから昆虫や爬虫(はちゅう)類が好きだった」などと述べ、容疑を認めているという。

 生活環境課によると、送検容疑は1月と6月、いずれも国の天然記念物で沖縄・石垣島などに生息するキシノウエトカゲ1匹とヤエヤマセマルハコガメ4匹を文化庁長官の許可なく捕獲し、自宅で飼育したというもの。男がツイッターに投稿したキシノウエトカゲを飼育している写真を見た人からの通報で発覚した。

 この2種は沖縄県のみに生息する希少種で、それぞれ1975年と72年に天然記念物に指定された。環境省が定める絶滅危惧種にもなっている。男は毎月のように石垣島を訪れて野生のカメやトカゲなどを捕獲しており、今回の5匹も石垣島で捕まえ、ゆうパックで自宅に送ったという。

 男は捕まえた昆虫などをネットオークションで販売し、昨年1月以降で100万円ほど売り上げていた。中には別の天然記念物が含まれていた可能性もあるという。男の自宅からはヤエヤマセマルハコガメ4匹を含む約30種、計約1千匹の爬虫類や昆虫が見つかった。キシノウエトカゲは「ネットでの批判を受けて石垣島に返した」と話しているという。

■絶滅の恐れも 識者「より重い罰則を」

 国の天然記念物のキシノウエトカゲとヤエヤマセマルハコガメを無許可で捕まえて飼育したとして、警視庁は、埼玉県北本市の飲食店員の男(23)を文化財保護法違反の疑いで書類送検した。

 南西諸島(沖縄、鹿児島両県)には固有種が多く生息しているが、沖縄県が絶滅の恐れがある野生生物をまとめた「レッドデータおきなわ」(第3版、2017年)によると、ヤエヤマセマルハコガメは石垣島で一部地域を除いて激減しており、ペット用に違法捕獲されている可能性が指摘されている。キシノウエトカゲも減少しているという。