静岡市立静岡病院(同市葵区)は10日、抗生物質がほとんど効かない多剤耐性アシネトバクター(MDRA)に入院患者4人が感染し、男性(78)と女性(81)が死亡したと発表した。男性はいったんMDRAが検出されなくなったことから、感染と死亡の因果関係は不明とする一方、女性の死因は「MDRA感染による肺炎と考えている」とした。

 病院によると、男性は台湾へ旅行中に発熱し、5月3日、現地の病院に入院した。同月末、静岡病院へ移って重篤患者向けの治療室に入り、6月5日にたんからMDRAが検出された。その後、同じ病室の女性ら3人からもMDRAが検出され、女性が7月27日、男性は8月6日に死亡した。

 病院は、感染発覚後の対応について専門家から「特段の問題点は見当たらない」との見解が示されたとしつつ「職員の手の消毒など、予防策が完璧でなかった可能性がある」とした。(野口拓朗)