ポケットサイズの強力な磁石で、金やプラチナなどのレアメタルを選び出す仕組みを、大阪大の植田千秋准教授(磁気科学)らの研究チームが開発し、13日発表した。英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」(https://www.nature.com/articles/s41598-019-40618-2)に掲載された。

 この技術を応用させれば、将来、ゴミの山から希少な金属を拾い出したり、逆にマイクロプラスチックなど有害なものを拾い出して環境浄化に役立てたりできる可能性がある。

 チームは物質ごとが持つ磁気力に差があることに着目。「ネオジム磁石」と呼ばれる強力な磁石を使った4センチ四方の装置をつくり、磁石のN極とS極の間(約4ミリ)から様々な物質を落とした。

 すると、磁場に反発する性質をもつ黒鉛と、逆に引き寄せられる性質をもつ岩石(カンラン石)は左右反対側に落下。磁気力が極端に弱い金やプラチナなどのレアメタルは中央付近に落ちるなど、物質ごとに違う場所に落下させることができた。

 こうした仕組みは「磁気分離」と呼ばれ、鉄など強い磁気力をもつものでは使われてきた。植田准教授は「磁気分離が物質全体で可能なことが実証できた。まだ磁気力が似たレアメタル同士などの分離は難しいが、実用化に向けて性能を上げたい」と話す。(鈴木智之)