しっぽ(尾)がヒトにないのはなぜだろう? 大阪市立大学医学部の東島沙弥佳助教は、そんな疑問を解き明かそうと研究を続けている。

 取り組む研究テーマを探していた大学院生の時、人類の化石の発掘調査に訪れたケニアで、いくつかの候補の中から「しっぽにしよう」と決めた。

 霊長類の体の中で一番興味が持てる、といった理由だったが、始めてみると似た研究はほとんどなく、解き明かす疑問がたくさんあった。以来、しっぽ一筋だ。

 どうすれば謎に迫れるのか。ヒトの先祖の化石を調べれば、有力な手がかりになりそうだが、現在、そのカギになりそうな年代の化石は見つかっていない。

 東島さんがヒントを求めたのは、現生のサルの尾だ。かつて和歌山県にいた、尾が比較的長いタイワンザルと短いニホンザルの交雑個体の尾を調べると、骨の形と長さの関係が見えた。

 尾の付け根にある仙骨を測るだけで尾全体の長さを「何センチ位」と推定できる式は、種が違うサルでも使えるといい、将来化石が出たとき、尾の先の骨がなくなっていても、長さがわかりそうだ。