宿泊客の女性に薬物を飲ませて性的暴行を加えたとして、岡山県警は20日、里庄町新庄、宿泊施設経営武内俊晴容疑者(48)を準強制性交等の疑いで逮捕し、発表した。武内容疑者は「やったかやっていないかについては黙秘します」などと話しているという。

 捜査1課によると、武内容疑者は2019年8月8日午後9時50分から9日午前11時半までの間、経営する「Cafe&GuestHouse凸屋」に宿泊した神奈川県の30代女性に、睡眠作用のある薬物を飲ませて抵抗できない状態にし、性的暴行を加えた疑いがある。捜査1課などは酒などに薬物を混ぜた可能性があるとみて調べている。

 今年3月、凸屋に宿泊した別の女性が他県の警察に嘔吐(おうと)などの症状を訴えて相談したところ、女性の体から薬物が検出されたという。これを受けて岡山県警が捜査に着手。武内容疑者は宿泊客を無断で撮影したとみられるわいせつな画像や動画を多数、所持していたといい、捜査1課などは複数の被害者がいる可能性があるとみて調べている。

■住民は不審視

 「女性一人でも安心して過ごすことが出来た」。武内俊晴容疑者が経営していた宿泊施設「Cafe&GuestHouse凸屋」は、インターネット上の口コミで、このような投稿もあった。ただ、宿の周辺の住民によると、4年ほど前に開業し、不審の目を向ける人たちもいたという。

 凸屋は里庄町内の静かな住宅地の一角にあり、キャンプ場も併設していた。周辺住民によると、長く空き家となっていた古い民家だったが、遠方に住んでいた武内容疑者が購入し、4年ほど前に宿泊施設として開業したという。

 旅行サイトによると、客室は5室。「笠岡ラーメン」を売りにしており、ネットニュースでも取り上げられていた。ネットの口コミ情報でも「素敵な古民家」「秘密にしておきたい隠れ家的なお店」といった評価があった。凸屋側からは「実家にでも帰るかのごとく、またゆっくり遊びにいらして下さいませ」との返信もあった。

 ただ、複数の近隣住民によると、「娘を返して」と凸屋にかけ込む人もいたという。ある女性は「7〜8人の女性が入れ替わり出入りしていた」とも話した。

 別の男性は6月以降、警察官が複数回、凸屋に入っていくのを見たと語った。男性が武内容疑者に「事件か」と聞いても、何も教えなかったという。男性は「何かあるのではと地域で不安に感じていた」と話した。(小沢邦男、吉川喬、神崎卓征)