南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報問題をめぐる閉会中審査が10日、衆院安全保障委員会であり、小野寺五典防衛相は日報を非公表にした経緯への稲田朋美元防衛相の関与を否定した。野党が求めていた稲田氏の招致は、与党の拒否で実現しなかった。

 冒頭で小野寺氏は先月28日に発表された特別防衛監察の結果を説明した。日報の電子データが陸自に保管されていた事実が2月13日と15日の防衛省内の幹部会議で稲田氏に報告されたかについて、小野寺氏は「『(稲田氏に報告)したかもしれない』と言う方は、(特別防衛監察の調べに対して)意見が二転三転し、あいまいなところもあった」と説明。データ非公表の判断への稲田氏の了承を否定した監察結果に正当性があるとの立場を強調した。

 民進党の升田世喜男氏は「(稲田氏に報告した、しないの)どちらの答えに信憑性(しんぴょうせい)があるか分からない」と追及。稲田氏が特別防衛監察の対象外になっていたことも踏まえ、調査のやり直しを要求した。これに対して、小野寺氏は「監察結果をしっかり報告された内容と承知している」と述べ、再調査を拒否した。

 民進の玉木雄一郎氏は、一部で報じられた2月13日の幹部会議の内容を記した「防衛省幹部の手書きメモ」について質問した。データの存在を知った稲田氏が「明日なんて答えよう」と発言したと書かれ、稲田氏が当時、陸自のデータの存在を認識していたことをうかがわせる内容。メモに名前が出てくる辰己昌良・前統合幕僚監部総括官に自身の出席の有無とメモにある発言の事実関係をただしたが、辰己氏は同席した事実は認めつつも、「事実関係は、監察結果に記述されている通り」と繰り返し、具体的な説明は避けた。

 玉木氏は、陸上自衛隊が独自に作成した日報問題に関する報告書の委員会への提出や公開を要求。小野寺氏は「不開示情報に該当する」と拒んだ。玉木氏は「元(防衛)大臣の隠蔽(いんぺい)体質まで引き継いではだめだ」と政府・与党側の対応を批判した。

 質問に立った野党側は稲田氏の出席を繰り返し求めたが、小野寺氏は「委員会で議論される筋合いのものだ」と述べるにとどめた。(相原亮)