学校法人「加計(かけ)学園」の愛媛県今治市への獣医学部新設計画をめぐり、衆院予算委員会は10日午前、柳瀬唯夫・元首相秘書官(現経済産業審議官)を参考人として招致する。愛媛県の文書には柳瀬氏が2015年4月に同県職員や加計学園幹部らと面会したとされている。柳瀬氏が面会をどこまで認めるかが焦点だ。

 愛媛県の文書によると、柳瀬氏は獣医学部設置に関して2015年4月2日、愛媛県と今治市の職員、加計学園事務局長と官邸で面会し、「本件は、首相案件」と述べたという。

 また、文部科学省には面会当日に「(学園関係者らが)本日15時から柳瀬総理秘書官とも面会するようです」と内閣府から送られたメールの写しが残っていた。

 これに対し、柳瀬氏は4月10日、愛媛県の文書について「記憶の限りでは、愛媛県や今治市の方にお会いしたことはありません」などとするコメントを発表している。

 一方、柳瀬氏が15年4月に加計学園幹部との面会を認めた場合は、安倍晋三首相の答弁との整合性が問われる。学園理事長の加計孝太郎氏は首相の長年の友人で、首相は加計氏からの相談や依頼は「一切ない」と繰り返してきた。さらに加計学園の獣医学部新設計画を知った時期についても、学園が学部新設の事業者に正式決定した「17年1月20日」と答弁している。

 柳瀬氏が加計学園幹部との面会を認めれば、加計学園を優遇したとの疑いが強まることになり、面会した目的やその際のやりとり、首相の関与が厳しく問われる。

 衆院予算委には政府の国家戦略特区ワーキンググループ(WG)の八田達夫座長も参考人として招致される。八田氏は「決定のプロセスには一点の曇りもない」と国会で答弁している。八田氏には与党のみが質問し、こうした主張を引き出し、手続きに問題がないと強調するとみられる。

 午後は参院予算委でも柳瀬氏と、愛媛県の加戸守行前知事が参考人招致される。加戸氏は国会で「愛媛県にとっては加計ありきできた」と答弁した経緯がある。