大阪市を廃止し、四つの特別区に再編する大阪都構想の住民投票が告示されて初めての日曜日となった18日、賛否両派はそれぞれ活動を展開した。推進する大阪維新の会の松井一郎代表(大阪市長)と公明党の山口那津男代表は初めて一緒に街頭演説。対する市民団体は道頓堀川の船上から大阪市の存続を呼びかけ、自民党大阪市議団の北野妙子幹事長も反対を訴えた。

 維新と公明はこの日、市内3カ所で合同の街頭演説を行った。松井代表はJR大阪駅前で、前回2015年の住民投票で公明は都構想反対だったことを踏まえ「公明の山口代表とこうして街頭で訴えるのは隔世の感がある」と述べた。

 続いて山口代表は、昨春の大阪府知事・市長のダブル選で維新が大勝したことに触れ「都構想を実現してほしいとの民意が示された」と強調。「(住民サービスの維持など)公明の提案が全部受け入れられた」とも述べ、賛成への方針転換に理解を求めた。演説の最後には「大阪を(東京に並ぶ)二つ目の軸として大きく伸ばすため、都構想の実現を」と呼びかけた。

 南海難波駅前での演説を聞いていた公明支持者の同市東住吉区の市職員の男性(64)は「住民投票の告示日から悩んでいる。今日でちょっとすっきりした」と話した。

 一方、市民団体「都構想を考える市民の会」は、「道頓堀川水上パレード」を企画。約70人が船に乗り、湊町船着場と日本橋の間を往復した。「大阪市廃止に反対」と書いたプラカードを掲げ、川沿いの道行く人や、すれ違う船の乗客に「大阪市の財産と権限を守ろう。不安や疑問があったら反対に投票を」などと呼びかけた。

 都構想に反対する自民党大阪府連は、全国の政令指定市の市議と街頭演説を行った。JR大阪駅前では神戸、京都、横浜などの市議が「特別区は政令指定市よりランクが下がる」などと主張。北野・市議団幹事長は「組織の形を変えることで大阪の経済が成長するという因果関係は証明されていない」と訴えた。

 演説を聞いた大阪市北区の30代看護師は、都構想には反対だとし「福祉や中小企業支援など大阪市のいいところがなくなるのではないか」と話した。(多鹿ちなみ、久保田侑暉)