大型スクリーンがボルトのアップの表情をとらえ、おどけたしぐさに大観衆が沸いた。有終の美を飾る舞台の予選。「素晴らしいレースじゃなかったけれど、後半持ち直せた。観衆の愛情を感じたし、ジャマイカ人の応援が多かったのは誇らしかった」。スタートで出遅れたものの、10秒07で余裕の6組1着だった。

 男子100メートルの大会単独最多となる4度目の優勝を目指し、5日に準決勝、決勝を控える。最強スプリンターの称号を保持したまま現役を退くのが、ボルト流の引き際の美学。優勝タイムの予想を聞かれ、「若い選手が元気だからね。9秒8を切るぐらいかな。9秒7台の後半か。まあ見てのお楽しみ。スタートを改善できれば、なんとかなると思う」。今季の自己ベスト9秒95からの大幅短縮に自信をのぞかせた。(稲垣康介)