フィギュアスケート男子の羽生結弦(ANA)は、平昌五輪シーズンの今季、フリーで「陰陽師(おんみょうじ)」の世界を再び表現する。8日(日本時間9日未明)、カナダ・トロントで新しいフリーを初公開した。世界歴代最高得点を2度更新したことがある名プログラムを改良し、男子シングルで66年ぶりとなる連覇を狙う。

 和風の笛や太鼓の調べに乗って、羽生が滑り始めた。4回転トーループからの3連続ジャンプや、4回転サルコーからの2連続ジャンプを軽々と決めて、生まれ変わった陰陽師を見せた。

 平安時代の陰陽師・安倍晴明が主人公の映画の曲を使用した2015〜16年シーズン、羽生は11月のNHK杯で216・07点、12月のグランプリ(GP)ファイナルで219・48点を出した。いずれも当時の世界歴代最高得点で、4回転ジャンプを3度成功した。

 羽生は昨季の世界選手権、フリー「Hope & Legacy」で4回転を4度成功して223・20点を出し、記録を更新した。今季は、フリーで計5本の4回転を跳び、そのうち3本を後半にする。2季前の陰陽師と同じように演技構成点で高い評価を得られれば、難しいジャンプ構成にする今季は、さらなる記録更新と五輪連覇への期待も高まる。

 羽生はショートプログラム(SP)も、過去2季にわたって使用して世界歴代最高得点を出した「バラード第1番」。SP、フリー共に過去と同じテーマを選んだ。

 羽生は選択の理由を「呼吸方法も、ジャンプもステップも自分らしく演じられるプログラム」と話した。そして、自分の強みは何かを聞かれ、「全部です」と言い切った。(トロント=後藤太輔)