夏の連覇を目指した作新学院(栃木)が大会2日目、盛岡大付(岩手)に敗れた。「再び甲子園に戻って来よう」と練習を重ねてきた選手たちは唇をかみ締めながら、涙をこらえた。

 添田真聖(まさと)主将(3年)は昨年優勝し、ベンチから飛び出した時の光景が忘れられない。観客席から歓声がやまず、まるで球場が一体になっているようだった。

 昨夏の選手権大会では控えの内野手として2試合に途中出場したが、「先輩たちに連れてきてもらっただけ」。新チームでは、甲子園のグラウンドに立った責任感を感じながら、主将に立候補した。

 再び甲子園に行くためには、栃木大会で7連覇を実現させなければならない。目標を意識するため、選手たちは練習で「7」にこだわった。ダッシュは7本、ノックの最後は連続7本取り、地元の「水道山」にある約130段の階段を駆け上がるタイム走は17秒……。「6」がテーマだった先輩たちより、練習量をさらに増やした。

 朝から晩まで一日中走ったり、ノックを2時間続けて受けたり。それでも、「毎朝自主練をしないと不安になる」という添田君は誰よりも早くグラウンドに出て、黙々と自主練習をこなした。主将の姿勢は、チームにも浸透した。二塁手の石戸智也君(3年)は添田君を見て「うまくなるために必要」と、一緒に守備の基礎練習を始めた。

 栃木大会で優勝を決めた後、「負けたらどうしようと思っていた」と打ち明けた添田君。甲子園では初戦を前に「ここまで来たら楽しむだけ」と笑顔だった。試合後にはエースの大関秀太郎君(3年)から「ナイスキャプテン」と声をかけられて少し涙を見せたが、落ち着いた様子で「自分たちがやってきたことを出し切れた」と語り、甲子園を後にした。(若井琢水)